記者は見ていた!水原一平容疑者の不可解電話姿 今春キャンプで…韓国でも練習中に…

大谷翔平(右)の後を歩きながら携帯電話を手にする水原一平容疑者.jpg

【球界こぼれ話】ドジャース・大谷翔平(29)の元通訳・水原一平容疑者(39)の巨額窃盗疑惑と違法賭博問題がわずか1か月の間に急速な進展を見せている。

水原容疑者が大谷の口座から盗んだ金額は窃盗が明るみに出た3月中旬当初、450万ドル(約6億8000万円)程度と報じられていた。ところが、4月に入るとその金額が1600万ドル(約24億5000万円)だったことが判明。さらに12日(日本時間)に行われた米連邦検察の会見では、水原容疑者が2021年12月から今年1月までの2年間で約1万9000回にわたり違法賭博行為をしていたことも明かされた。野球に関する賭博はなかったようだが、その負け総額は実に280億円以上。損失は62億円に上るのだから恐ろしい。

ただ、スポーツ史に残るであろう今回の問題。日本ハムの通訳時代から本人と面識がある身としてはいまだに信じ難い。先月までの行動を見る限り、巨額賭博を1人で行うような人物には決して見えなかったからだ。

日ごろから物腰が低く、質問にも丁寧に応対。今春の米アリゾナキャンプでは時間があると気軽に雑談にも応じていた。そんな人柄とはいえ、今思えば不可解ともとれる行動を何度も目撃したことがあった。その1つが水原容疑者の「頻繁に電話をする姿」だ。

基本的に大谷がグラウンドにいる際は傍らに寄り添う水原容疑者が、なぜか今春キャンプでは1人で電話する姿が目立っていた。しかも人目を避けるようにクラブハウス外の倉庫付近で長時間電話をすることもしばしば。この行動は周囲の番記者内でも一時話題になり「一平さんっていつもあそこ(倉庫)で電話してない?」とウワサされていたほどだった。

水原容疑者の「電話姿」はドジャースの開幕戦が行われた韓国・ソウルでも変わらず、エキシビションゲームの日にはチームの試合前練習中にもかかわらず記者席近くで電話をする様子も見られた。一度あいさつがてら「なぜここ(記者席)に? 誰か探しているの?」と本人に声をかけたが、その際、水原容疑者は「いや、大丈夫です」と笑顔で会釈。その後、再び記者席裏に隠れるようにして電話をかけ始めた。

当時は大谷が結婚を発表して間もない頃。夫妻の一挙手一投足が注目されていた時期でもあり「大谷の代わりにいろいろと奔走しているのだろう」。そう勝手に解釈していたが、改めて思うとわざわざ水原容疑者がチーム練習中に記者席で電話をする必要があったのか…。やはり不自然だったと言わざるを得ない。

長年連れ添った“相棒”の背信行為に大谷のショックは計り知れないだろうが、身近で取材をする報道陣も少なからず衝撃を受けた今回の問題。水原容疑者の処遇は今後司法に委ねられるが、本人には猛省の上、真摯な姿勢で罪を償ってもらいたい。

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