【日経平均株価】中東リスクが高まり大幅下落するが、影響は限定的

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日経平均大幅続落、今年最大の下げ

2024年4月19日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、1011円35銭安の3万7068円35銭となりました。2月9日に付けた3万6897円以来、2カ月ぶりの安値となりました。下げ幅は2021年2月26日に1202円安となって以来、3年2カ月ぶりの大きさでした。東証プライム市場の値下がり銘柄数は今年最大でした。

前日の米株式市場でハイテク株が下落した流れを受け、東京市場でも売りが優勢となりました。また、同日に「イラン国内で複数の爆発音」との報道が伝わると、イランの核施設などへの攻撃ではないかとの憶測が広がり、取引時間中だった東京株式市場で売りが加速しました。一時、前日比1300円を超えるほどの急落になりました。ただ、その後は、核施設などへの被害はなく抑制的な攻撃だったと伝わったことから若干の買い戻しとなりました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は、前日比211ドル02セント高の3万7986ドル40セントで終えています。続伸です。18日(日本時間19日)には、イスラエルがイランを空爆したと伝わったものの、被害が限定的にとどまるとの見方が広がったことから、投資家のリスク回避の動きは後退しました。ただし、中東情勢は依然として改善の見込みがなく、地政学リスクは高まると考えられます。投資家も積極的に買いに回る局面ではなく、リスク資産からの流出も懸念されます。

さまざまな産業が影響を受けますが、中でも半導体産業は売られやすいところです。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は6日続落し、1月下旬以来の安値となっています。日本株も半導体関連銘柄が週初から売られる展開になることも予想されます。

19日のニューヨーク外国為替市場で円相場は前日比5銭円高・ドル安の1ドル=154円55~65銭で取引を終えています。地政学リスクの高まりを受け、円が変われる展開もありました。ただ、円安圏であることには変わりはありません。自動車・機械などの輸出関連銘柄にとっては追い風となりますが、内需企業にとっては輸入品の原価が値上がりし、経営にインパクトを与えることになります。

地政学リスクの高まりを受け、円が変われる展開もありました。ただ、円安圏であることには変わりはありません。

75日移動平均線を割り込み軟調

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。足元ではローソク足の実体が25日移動平均線を割り込み、上値を押さえられていたことから、ここを回復できるかどうかがポイントでした。実際には週初15日(月)は、短い陽線となったものの、翌日からは陰線となって下落、その後も陰線が続き、75日線も割ってしまいました。

今後の展開はどうなるでしょうか。チャートの形はよくありません。25日線に加え、75日線も下回ってしまいました。気になるのは、直近の押し安値だった3月12日の安値(3万8271円)も割ってしまったことです。これにより、短期的には3月22日の高値(4万1087円)を始点とする下降トレンドラインが完成しました。

今後、ここから反転するためには、まずはこの下降トレンドラインを脱したいところ。そのためには、直近の戻り高値である4月12日の高値(3万9774円)あたりを越える必要があります。このあたりはちょうど25日線にも重なっています。心理的節目となる4万円にも近いことから、まずは4万円越えに期待したいところです。

逆に、ここからさらに調整があるとすれば、200日線のある3万4000円付近までの下落も想定されます。

200日線のある3万4000円付近までの下落も想定される。

参考資料

  • 日本経済新聞 日経平均株価

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