ミコ(篠原涼子)と森野(バカリズム)は人気インフルエンサーと対峙!生配信中の毒殺トリックとは<『イップス』第2話完全版>

『イップス』第2話完全版

“書けなくなった”ミステリー作家・黒羽ミコ(篠原涼子)は、“解けなくなった”警視庁捜査一課の刑事・森野徹(バカリズム)にDMを送り、小説にしたら面白そうな事件があれば教えてほしい、と頼む。

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サウナ施設で起きた殺人事件の現場に立ち会った際に、久しぶりに小説が書けそうな気がしたらしい。森野は、そんなミコの頼みを無視。

森野は、後輩刑事の樋口一之(矢本悠馬)から、事件現場に来るよう連絡を受ける。とりあえず現場へと向かう森野だったが、どうしても規制線の中に入ることができず、カラオケボックスに逃げ込んでしまった。

偶然同じ店を訪れたミコは、森野の姿を見つけると、なぜか森野の部屋で一緒にカラオケに興じる。

生配信中に殺人!?ミコたちは異変に気づき…

同じころ、ミコたちとは別の部屋では、過激な企画で人気のコンビインフルエンサー「悪童エクスプレス」の“よっちゃん”こと唐沢陽介(藤原季節)と“チョロ”こと中野隆二(細川岳)が、緊急生配信を行おうとしていた。

チョロは、企業案件ネタばかりやり始めて金儲けに走り、ついにはヤラセにまで手を染めるようになったよっちゃんに不満を抱いており、この生配信の中でヤラセのことを告白するよう、よっちゃんに迫っていた。

そんなチョロのことが邪魔になったよっちゃんは、自殺に見せかけて彼を殺そうと計画。生配信中に酔って具合が悪くなったチョロをトイレに連れて行き、青酸カリを利用したトリックで殺害する。

よっちゃんは、配信を一時停止してチョロの様子を確認すると、便器の中の吐瀉物を流し、青酸カリが入った小瓶をチョロに握らせて用意しておいた遺書を彼のポケットに忍ばせた。そして一時停止を解除すると、動揺した様子で「チョロが自殺した」と生配信で報告する。

そこには、配信を見て異変に気づいてやってきたミコと森野が見切れており…。

チョロは本当に自殺なのか?疑うミコと森野

小瓶から青酸カリが検出されたため、チョロは青酸カリを飲んで自殺したものと思われた。青酸カリは、飲んでから死ぬまでに数分から十数分ほどかかるが、その前の行動はすべて生配信されていた。つまりチョロが青酸カリを飲むことができたのは、彼が1人でトイレに入ったときだけ。

だが、チョロの遺書を読んだミコは違和感を抱く。遺書には「このままだと私は足を引っ張るだけの存在になってしまう。悪童エクスプレスには常に前に進んでほしい」と記されていたが、生配信では「このままではよくない。また振り出しから始めたい」と言っていたのだ。

さらにミコは、チョロがカラオケ店の従業員・井上孝(有輝)に書いたサインにも疑問を抱く。井上は、自分の名前を「先立つ不孝の孝」と説明していたが、チョロは「不孝」を「不幸」と勘違いしており、「井上幸さんへ」と書いていたのに、遺書の中では「先立つ不孝をお許しください」と正しく書いていたからだった。

そんなミコに森野は、遺書はパソコンで作成されていたことから予測変換されるのでは、と彼女の推理が破綻していることを指摘。それよりも、よっちゃんが生配信中にトイレの窓を開けたことが気になっていた。

青酸カリは、体内に入るとシアン化水素というガスが発生し、中毒死する。生配信を見た限りでは、チョロは急性アルコール中毒ではないかと疑うのが普通なのに、窓を開けたのはチョロが青酸カリで死ぬと分かっていたからではないか、というのだ。

すると、「僕が犯人だって疑っているんですか?」と返すよっちゃん。その言葉がトリガーとなり、イップスの症状が出てしまった森野は、その場から立ち去ってしまい…。

そんな折、ミコのもとへ弟の慧(染谷将太)から連絡が入る。慧も悪童エクスプレスの生配信を見ていたらしい。

慧から、行き詰まったら振り出しに戻って前提から考え直すよう助言されたミコは、トレイに籠もっていた森野にもその言葉を伝える。それがきっかけである可能性に気づいた森野は、半ば強引にミコに呼び出されて、再びよっちゃんと対峙する。

チョロ殺害のトリックは…?

森野は、よっちゃんがチョロに青酸カリを飲ませたのではなく、予め便器の中に青酸カリを蒔いてトイレに使用中止の貼り紙をし、酔ったチョロの吐瀉物によってシアン化水素が発生するよう仕組んだトリックを明かす。

それでもよっちゃんは、自分にはチョロを殺す動機が無いととぼけた。そこでミコは、井上から教えてもらったチョロの裏垢のことを話す。そこには、ヤラセのことだけでなく、よっちゃんに対するチョロの思いが綴られていた。

ミコたちとのやり取りを録画していたよっちゃんは、刑務所から出てきたときにこの動画を配信したらバズりそうだが、こんな人間はもう世の中から相手にされないだろう、とこぼす。そんなよっちゃんにミコは、もがき続けたらリスタートできるかもね、と声をかけた。

それから数日後、ミコは森野に、密着取材をしたいと申し出る。森野をモデルにした小説が書きたいのだという。ミコからその話を聞いた慧は、「面白そう」と賛同しながらある事件の資料を広げる。そこには「担当刑事・森野徹」と記されていて…。

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