新型コロナワクチン群馬県内で14万7000回分廃棄 保管用冷凍庫は再活用

 新型コロナウイルスのワクチン接種を全額公費でまかなう「特例臨時接種」が3月末で終わったのに伴い、群馬県内で約14万7000回分のワクチンが廃棄されることが、県への取材で分かった。保管用に国から県や市町村に無償譲渡された冷凍庫213台も不要となったが、これらは研究用として大学などに引き渡され、活用されているという。

 4月以降の任意接種は特例臨時接種のために配布した分ではなく、一般に流通するワクチンを用いる。厚生労働省は自治体に対し、配布したワクチンは4月以降使用せず廃棄するよう通知。19日までに廃棄量を報告するよう都道府県に求めていた。

 県感染症・疾病対策課によると、廃棄するのは昨年9月20日以降の接種用に配布されたオミクロン株派生型「XBB・1.5」対応の約69万2千回分の一部。接種率が全人口の24.59%、65歳以上の55.2%にとどまったため残ったとみられる。

 一方、ワクチン保管用の冷凍庫はファイザー社用(マイナス75度)131台、モデルナ社用(マイナス20度)82台が県内の自治体に譲渡された。うち県が保有する計41台分を譲渡しようとしたところ保有台数を上回る希望があったため、市町村分を含めて県が譲渡先を調整した。

 大学や病院で検体や試薬の保管などの需要が多く、県の担当者は「足りないという声があったほど。故障などを除き、活用可能な物は有効に使われている」としている。

© 株式会社上毛新聞社