『ゴジラ』を愛したNY紙が大谷翔平の日本人最多176本塁打を異例の祝福! 松井秀喜の“人間性”に再脚光「私が願っているのは…」

ついに、”ゴジラ超え”を果たした。

現地4月21日、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平が本拠地で行なわれたニューヨーク・メッツ戦に「2番・指名打者」で先発出場し、第2打席に先制の2ランホームランを右中間スタンドに突き刺し、松井秀喜氏と並んでいた日本人最多本塁打を更新する通算176号のメモリアル弾を放った。

待望の瞬間は3回裏に訪れた。1死一塁で、大谷は相手先発エイドリアン・ハウザーが投じた2球目のスライダーを見逃さずスイングすると、打球は高々と舞い上がり、あっという間にライトスタンド中段に着弾した。打った大谷自身もスタンドインを確信する特大の今季5号2ランにドジャー・スタジアムは割れんばかりの歓声が上がり、ダイヤモンドを1周する背番号17に拍手喝采を送った。
この1本で、ニューヨーク・ヤンキースなどで活躍した松井氏が持つ日本人最多本塁打を超え、堂々と歴代単独トップに浮上した大谷。この快挙は、同氏を愛したニューヨーク・メディアも異例の祝福を送っている。

米紙『New York Post』の電子版は試合後、大谷のメモリアル弾を特集。「ドジャースのスーパースターであるオオタニが、元ヤンキースのマツイ氏を抜き、メジャーリーグにおける日本人選手の最多ホームラン記録を破った」と配信した。

記事では、「オオタニは元通訳のイッペイ・ミズハラ(水原一平)氏の賭博スキャンダルで、ドジャースでのキャリアスタートに影を落としたにもかかわらず、今シーズンも好調なスタートを切っている」と伝え、試合前まで打率.359、4本塁打、11打点、リーグ最多となる11二塁打、33安打を記録するなど、大谷のバットは好調で、いつ快音が出てもおかしくなかったと強調した。

巨人の絶対的な4番打者として君臨した松井氏は2002年オフに海外フリーエージェント権を行使して、03年にヤンキースに移籍。以降、メジャー10年間のキャリアで175本塁打を放ち、12年に引退した。特にヤンキースでは7年間プレーし、09年ワールドシリーズ(WS)では持ち前の打棒が大爆発。同シリーズ第2戦の決勝本塁打や代打アーチ、そして第6戦は先制2ランを含む4打数3安打の大活躍。WS記録に並ぶ6打点の大当たりでMVP(最優秀選手)に輝き、チームを世界一に導いた。ちなみにヤンキースは、この年を最後にWS制覇から遠ざかっている。

老舗NY紙にとって、忘れられない日本人のひとりとして記憶されている松井氏。同メディアは、先輩メジャーリーガーが後輩について語っているコメントを一部紹介している。

「彼の存在感、選手としての能力、とにかく素晴らしい選手だ。私の方の数字は比較にならない。ファンの多くは、大谷選手が何をするか、何を成し遂げるかについて期待を持っていると思う。私自身としては、彼が健康でいてくれることだけを願っている」

晩年は故障で満足にプレーできなかった松井氏が大谷のコンディションを気にかけ、今後も長くプレーが続くことを祈っていることにNY紙は着目している。

ニューヨークから愛された「ゴジラ」をついに超えた大谷。名実ともに、メジャー史上最高の日本人選手として称えられている。

構成●THE DIGEST編集部

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