インド、23/24年の所得税収が17.7%増 富裕層や企業の収入拡大

Manoj Kumar

[ニューデリー 21日 ロイター] - インドの直接税中央委員会(CBDT)は21日、2023/24年度(24年3月終了)の所得税税収が前年比17.7%増の約2350億ドルだったと明らかにした。超富裕層の所得や企業の利益が増加したことが背景にある。

個人が収めた所得税は前年比約25%増加し、10兆4400億ルピー(1253億ドル)だった。これには株式や投資信託などの有価証券の取引に課される証券取引税が含まれる。

法人税の納税額は前年比10.26%増の9兆1100億ルピー(1093億ドル)だった。

デリーのジャワハルラール・ネルー大学元教授で経済学者のアルン・クマール氏は「これは良いニュースだ」と指摘した上で、この数字は「所得格差拡大の兆候」でもあると述べた。

所得税の増加分は主に比較的裕福な個人と大企業によるもので、税収増は富裕層の所得や株式投資などから得た利益が拡大したことを反映している。

エコノミストによると、年間の非課税枠である30万ルピー(3599ドル)を超える所得がある世帯は全体のごく一部で、自給自足が多い農業従事者の大半は所得が非課税枠に収まっているという。

クマール氏は、労働者の90%近くは中小企業で働いたり農業に従事しているが、そうした労働者の賃金の伸びははるかに低かったと指摘した。

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