「鬼滅の刃 目指せ!最強隊士!」プレイレビュー:「鬼滅の刃」らしさが盛り込まれたボード、ミニゲームはファン必見!Joy-Conでのプレイは臨場感も抜群

アニプレックスが2024年4月25日に発売予定のNintendo Switch用ソフト「鬼滅の刃 目指せ!最強隊士!」。本作のプレイレビューをお届けする。

本作は、TVアニメ「鬼滅の刃」家庭用ゲームプロジェクトの第2弾として発売される作品。オフライン・オンラインにて最大4人で遊べるボードゲームとなっている。

今回は、メインとなるボードゲーム“目指せ!最強隊士!”の参ノ舞台、肆ノ舞台、伍ノ舞台に加えて、ミニゲームを単体で遊べる“機能向上訓練”をプレイ。過去には、壱ノ舞台を含めた「東京ゲームショウ2023」試遊レポート記事も掲載しているので、あわせてチェックしてほしい。

ボードゲームをプレイする“目指せ!最強隊士!”モードでは、それぞれ壱ノ舞台は藤襲山・北西の町・浅草、弐ノ舞台は鼓屋敷・那田蜘蛛山、参ノ舞台は無限列車編、肆ノ舞台は遊郭編、伍ノ舞台は刀鍛冶の里編の物語がモチーフになっている。

例えば、肆ノ舞台であれば宇髄天元の嫁3人が道中に登場するほか、夜になれば建物の上を移動できるようになるといった遊郭編らしさが散りばめられている。

ボードによる難易度の概念はないが、後半になるほどボードが広くなるほか、ギミックなども追加される。他プレイヤーをCPUにする場合は、強さを選べるので、そこである程度の難易度調節が可能となる。

ちなみに、一番の上の強さは“柱級”となっていた。この2文字を見ただけでも、直感的に「強くて敵わないだろう」と悟った筆者は、一つ下の“強い”でプレイしてしまった。製品版発売時には、柱級のキャラたちがどれほど強いのか、ぜひ体感してみてほしい。

キャラクターやボード、周回数などのルールを決めたらゲームスタート。神崎アオイたちから舞台となるボートの説明が行われると、鎹鴉がボード上に飛び立ち、目的地が設定される。この目的地に誰よりも早くたどり着くことが目標となる。

ボード上の移動は、サイコロを振った目の分だけ進むことができる。通常は1~6の目が書かれたサイコロを振ることになるが、道具を使用すれば、出目や振るサイコロの増加なども可能になる。また、選んだ隊士専用の“隊士さいころ”も存在する。一定ターンの経過で使用できるが、内容はキャラによって大きく異なる。

道中には、青マス・赤マスなどさまざまな種類のマスが存在。青は+、赤は-の効果となっており、それぞれ“隊貨”が増減する。隊貨は、アイテムの購入、ボードにあるギミックを使用する際に必要な通貨となる。

中でも注目したいのが、“仲間マス”。こちらに止まると、ランダムで1人の隊士が仲間に加わり、同行してくれるようになる。仲間の隊士は、行動時に一緒にサイコロを振ってくれるほか、隊士さいころの使用も可能。ただし、隊士さいころを使うと同行が解除されるという点は注意が必要だ。

また、同行する隊士は最大1人まで。同行状態で仲間マスに止まると、仲間を入れ替えるかどうかを選択できるようになる。ちなみに、隊士が仲間になる際にはキャラ同士の会話が発生するのだが、使用しているキャラ、仲間になるキャラによって内容が異なるので、どういった会話が展開されるのかにも注目してほしいポイントだ。

全員の行動が終了し、1ターンが終わる際には“機能向上訓練”が発生。ランダムで選ばれたミニゲームを個人戦、もしくは2人でのチーム戦で行うことになる。初見のミニゲームをいきなり遊ぶのには不安があるかもしれないが、開始前に“練習”する時間が存在するので安心してほしい。

“機能向上訓練”では、個人戦であれば順位に応じて、チーム戦であれば勝利したチームに隊貨が付与。“機能向上訓練”が終わるとターンが終了となる。キャラの行動、“機能向上訓練”をという流れを繰り返しつつ、目的地へたどり着くことを目指すのが、“目指せ!最強隊士!”のフローとなる。

鎹鴉の待つ目的地に到着すると、“昇格ポイント”と呼ばれるものを獲得。所持している数値によって“癸”や“辛”といった階級が変わっていくのだが、“目指せ!最強隊士!”での順位は、この昇格ポイントの数値によって決まる。昇格ポイントは、目的地に到着した際に一番多く獲得することができるが、道中のマスでの入手も確認できた。

一度目的地に着くと、新たな目的地が設定される。それとともに変化するのがボード上での時間帯。ゲーム開始時には昼からスタートするが、その状態で目的地に到着すると、時間が“夜”へと変更。ボード自体の雰囲気が変わるのはもちろん、一番の変化が“鬼”が出現するということ。

夜の時には目的地に鬼が待ち構えており、ルーレットの結果により鬼との戦闘も発生する。出現する鬼は、ボードの舞台となっているエピソードにちなんだものが出現するが、その中からランダムで現れる。例えば、無限列車編を舞台とした参ノ舞台では、魘夢と猗窩座となっている。

鬼との戦闘は、“機能向上訓練”で遊ぶミニゲームよりもアクション性が高まったものとなっており、実際にキャラになったかのような臨場感の中で楽しむことができた。全編を通して、Nintendo Switch Proコントローラーなどでのプレイは可能となっているが、この臨場感を味わうためにも、Joy-Conでのプレイをオススメしたい。

ちなみに、ボードが夜の時に目的地に到達すると、昼よりも昇格ポイントを多く獲得できる。鬼との戦闘での順位によってもポイントがもらえるほか、ボード上の通常マスにも鬼が出現するようになり、こちらで行う戦闘でもポイントを獲得できる。

また夜の時は、鬼の発見、倒すことが第一目標となるため、キャラの行動終了時にあった機能向上訓練は無くなる。なお、夜の時に目的地に到達すると、次は昼へと時間帯が戻るようになり、その後も到着するたびに時間帯は昼→夜、夜→昼と変化していく。

さらに、最下位の人へのお助け機能として禰豆子が夜の間だけ同行してくれるという要素も。禰豆子は仲間とは別枠で同行してくれるため、最大3人での行動が可能となり、サイコロを振ってくれるのはもちろん、ターン終了時には隊貨やアイテムをくれる。

ルールを決めた際に設定したターン数が経過すると、結果発表の時間に。この時、ルールにある“特別賞”をありにしていると、条件を満たしていた人に昇格ポイントが与えられ、最後の最後で逆転も!? といった楽しみ方もできる。条件はランダムで2個選ばれ、最も多くのマスを移動した人やアイテムを購入した人など、内容もいろいろと用意されている。

筆者がプレイした際、最終ターンでアイテムの購入マスに止まったのだが、「次のターンはもうないし…」という理由で何も購入せずに終わった。しかし、特別賞の内容は“一番多くアイテムを購入した人”に。結果的には1回差で他の人に取られてしまった。そういう点からも、最終ターンだから無駄になってしまう、という考えではなく、出し惜しみせずアイテムの使用・購入はしておくべきだと感じた。

なお、“目指せ!最強隊士!”とは別に用意された“機能向上訓練”モードでは、ミニゲームを単体で遊ぶことができるものとなっている。個々で遊ぶのはもちろん、連続で遊んだり、2チームに分かれてミニゲームを遊ぶことも可能だ。なお、一部のミニゲームは該当のボードをプレイすると解放されるものもあるので、注意が必要だ。

“目指せ!最強隊士!”をプレイした際に、すべてのミニゲームをプレイすることは叶わなかったので、“機能向上訓練”で他のミニゲームも遊んでみることに。ボードゲームならではの内容から「鬼滅の刃」らしさが盛り込まれた、本作ならではのものまで用意されており、ファンはもちろん、誰でも楽しめること間違いなしの内容となっている。

実際に、ミニゲームの中の1つである「ド派手に打ち上げ花火」をプレイしている最中は一生懸命になりすぎて、なかなか気が付くことはできなかったが、刀の鍔など、ファンにはうれしい要素が演出として盛り込まれているものもあるので、プレイ時にはそういった点にも注目してほしい。

その他にも、“目指せ!最強隊士!”や“機能向上訓練”モードをプレイ後にもらえる“鬼滅手形”を使用して“福引”を引くことも可能。こちらではキャラクターの衣装はもちろん、ボードゲーム中のアクションの1つである“ハンコ”などを入手できるので、ボードゲームを楽しんだ後は、こちらも試してみてほしい。

発売後の無償アップデートで、不死川玄弥がプレイアブルキャラクターとして追加されることも話題になった本作。発売までは、みに隊士も参加する店頭体験会が開催されているので、気になった人はこちらにも足を運んでみてはいかがだろうか。

※「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記となります。

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable (C)「鬼滅の刃 目指せ!最強隊士!」製作委員会


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