スペイン領カナリア諸島、数千人がオーバーツーリズムに抗議

Borja Suarez

[サンタクルス・デ・テネリフェ(スペイン) 20日 ロイター] - スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島で20日、受け入れ可能な限界を超えて観光客が押し寄せるオーバーツーリズムに何千人もの人々が抗議活動を行い、民泊用住宅やホテルの行き過ぎた建設ラッシュを食い止めるために、一時的に観光客の受け入れを制限するよう求めた。こうした建設ブームが現地の人々の住宅費を押し上げている。

抗議活動の参加者らは、カナリア諸島の域内総生産(GDP)の35%を占める観光業界に対する変更措置を求めた。参加者の1人はロイターに対し、「観光客に対するメッセージではなく、変更が必要な、この島のためにならない観光モデルに対するメッセ―ジだ」と述べた。

カナリア諸島のほかの島やスペインの都市でも小規模なデモが行われた。こうしたデモは夏季休暇シーズンのピーク前に20余りの環境団体が主催した。

これらの団体は現地当局に対し、諸島の環境、インフラ、住宅在庫への圧力を和らげるために一時的に観光客の数を制限するとともに、外国人による不動産購入を抑制すべきだと訴えている。

抗議活動のリーダーの1人は「当局は資源を枯渇させ、経済を不安定にするこの腐敗した破壊的なモデルを直ちにやめるべきだ。カナリア諸島には限界があり、人々の我慢にも限界がある」と述べた。

公式データによると、人口220万人のカナリア諸島には2023年、前年より13%多い約1400万人の観光客が訪れた。

カナリア自治州首相のフェルナンド・クラビホ氏は19日、この地域がスペイン有数の観光地であることを誇りに思うと述べたが、観光業が成長を続ける中、制限を強化する必要があると認めた。

© ロイター