「子育て環境に地域間格差ある」8割…意識調査

あなたは子育て環境に関して地域間の格差があると思いますか?

ふるさと納税サイトを運営するトラストバンクの調査・研究を担うトラストバンク地域創生ラボは2024年4月18日、「子育て環境の地域間格差と行政サポートに対する意識調査 2024」の結果を公表した。子育て環境に地域間格差を感じている人が8割を超えるなどの実態が明らかになった。

調査は2024年4月3日~4日、全国の小学生以下の子供をもつ20代以上の1,063名を対象にインターネットにて実施した。

最初に、現在住んでいる地域の子育て環境について尋ねたところ、「満足している」と答えた人(「そう思う」「やや思う」の合計)は64.7%であり、「あまりそう思わない」「そう思わない」の計27.9%を大幅に上回っていた。満足しているポイントとして、もっとも多かったのは「治安」(46.9%)で、以下「自然環境・公園」(41.9%)、「自治体による交付金・補助金制度」(40.4%)という結果だった。

一方で、子育て環境に関して地域間の格差については、80.8%が「ある」(「そう思う」「思う」の合計)と回答した。格差を感じる具体的なポイントとしては、「子育て関連の施設・設備が充実しているか」(51.1%)がもっとも多く、「子育て関連の補助金・助成金が充実しているか」(44.0%)、「学校や園以外で子どもが多様な経験を得られるか」(42.7%)と続いた。

つぎに、ふるさと納税の利用の有無を尋ねたところ、53.9%の家庭が「利用している」と回答。「利用していない」(43.4%)をやや上回っていた。

しかし、自分が住んでいる地域が集めた寄付金が、どのように行政施策に活用されているかについて「知っている」と答えた人は34.2%にとどまり、60.8%は「知らない」と回答していた。

住んでいる自治体に対し、「ふるさと納税の寄付金を使ってもっと教育関連政策に予算を投じてほしい」と考える人は73.2%(「そう思う」「ややそう思う」の合計)であり、多くの人が望んでいることがわかった。具体的には「子育て関連の施設・設備の充実」(63.8%)、「子育て関連の補助金・助成金の充実」(56.0%)「良質な教育プログラムの提供」(34.3%)、「育児と仕事の両立支援サービスの充実」(23.5%)の順で要望が多かった。

また、ふるさと納税をする際に選べる寄付金の使い道について、よく選ぶ項目は多い順に「教育・子育て」(58.8%)、「医療・福祉・介護」(38.0%)、「震災復興」(24.1%)という結果だった。

今回の調査より、子育て世代の多くは、子育てに関する施設・設備、補助金・助成金の充実などに対して地域間格差を感じており、解消のために予算をかけてほしいと考えていることがみてとれる結果となった。

木村 薫

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