マツダは2024年4月18日、2024年のスーパー耐久シリーズにマツダ3を1台、ロードスター2台の計3台で、参戦することを発表した。
マツダは時代の変化に適合したモータースポーツ活動を啓発
マツダは2022年からスーパー耐久シリーズのST-Qクラスに参戦している。ST-QクラスはSTO(スーパー耐久機構)が認めた開発車両であれば参戦可能で、トヨタの水素エンジンカローラや、スバルのカーボンニュートラル燃料BRZなど、数多くの自動車メーカーがサスティナブルなモータースポーツを模索するべく参入している。
マツダも2022年からST-Qクラスに次世代バイオディーゼル燃料を使用するマツダ2で参戦。2023年には車両をマツダ3にスイッチしており、こうした車両でレースに参戦することで実証実験を行うとともに、カーボンニュートラルの実現を目指している。
2024年もこのレース活動は継続され、マツダは「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」と「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」の2台でスーパー耐久シリーズのST-Qクラスに参戦する。
MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept(55号車)
2024年シーズンは、廃食油ベースの「水素化植物油」(HVO)100%の次世代バイオディーゼル燃料を使用しながらさまざまな技術に挑戦し、カーボンニュートラルと「人を育て、技術を鍛える」ことを目標に参戦する。
●チーム代表:前田育男
●監督:木田努
●ドライバー:井尻薫、関豊(以上、プロレーシングドライバー)、前田育男、寺川和紘(以上、社内ドライバー)
●メカニックチーム:HM RACERS(広島マツダ)
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept(12号車)
2024年シーズンはトヨタ自動車、スバルと共に開発したカーボンニュートラル燃料を使用しながら、将来のスポーツカー開発も視野に入れた取り組みを行い、カーボンニュートラルと「人を育て、技術を鍛える」ことを目標に参戦する。
●チーム代表:前田育男
●監督:木田努
●ドライバー:阪口良平、堤優威(以上、プロレーシングドライバー)、川田浩史(以上、社内ドライバー)
●メカニックチーム:FLAT OUT WORK
マツダのグラスルーツモータースポーツのチャンピオンがS耐に挑戦
マツダは多くの人たちにモータースポーツを楽しんでほしいとの思いで、長年アマチュアが気軽に参加できるグラスルーツモータースポーツに力を入れてきたが、2023年からはその参加型モータースポーツの一層の盛り上げを図るため、2つの「倶楽部MAZDA SPIRIT RACINGチャレンジプログラム」を始動させている。
1つ目は、「バーチャルからリアルへの道」で、バーチャルのeSPORTSの世界からリアルモータースポーツを体験する機会を提供するプログラム。
2つ目は、「スーパー耐久レースへの道」で、マツダが協賛している2つのグラスルーツモータースポーツにて優秀な成績を収めたドライバー(※)が、スーパー耐久シリーズにチャレンジするプログラム。
※「ロードスター・パーティレース」および「富士チャンピオンレース ロードスターカップ1.5L チャレンジクラス」のチャンピオン
倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(120号車)
2024年シーズンは、「スーパー耐久レースへの道」で選ばれたドライバーが、新たな時代のモータースポーツ文化の担い手になっていくことを狙いに、2023年シーズン同様、120号車がST-5クラス(1500cc未満)に参戦する。
●チーム代表:前田育男
●監督:檜井保孝(ファーストレスポンダー)
●ドライバー:上田純司、箕輪卓也、織田祥平、本多永一、久米田昴、松原泰世(以上、チャレンジプログラム選抜ドライバー)
●メカニックチーム:オーバードライブ
2024年スーパー耐久シリーズの参戦体制
マツダは、持続可能な地球の未来に貢献する技術開発を進めながら、ひとを中心に置き、「動くことへの感動」が「いきいきとする体験」につながるようなクルマ創りを行っている。
モータースポーツにおいては、「共挑(きょうちょう)」をテーマにスーパー耐久シリーズST-Qクラスに参戦する他の自動車メーカーと共に、カーボンニュートラル燃料を使用する車両で実証実験を行い、将来に亘って持続可能な自動車社会のあるべき姿を追求し、時代の変化に適合したモータースポーツ活動の啓発、認知拡大に務めていくという。
なお4月20日~21日に開催された第一戦「ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE SUGOスーパー耐久4時間レース」では、グループ2決勝に12号車と55号車が出場、それぞれ総合10位、11位完走を果たしている。