バイクを『クルーザー』に乗り換えたとき感じること5選!

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愛車を選ぶ際、これまでと違うタイプのバイクに乗りたいと考えるライダーもいるだろう。そのとき、選んだ先に何が待っているのかを知っておくと、より自分に合ったバイクを手に入れることができるかもしれない。オンロードモデルやアドベンチャーから『クルーザー』に乗り換えたらどうなるの?

●文:ヤングマシン編集部

足着きがいい!

クルーザーは上半身が直立したライディングポジションのものが主流で、シート高は700mmを切るケースも。アドベンチャーモデルでは片足ツンツンでも、クルーザーなら両足がカカトまでベタ付きという例も少なくない。低い目線で滑空するように走っていくさまは『グライド感』と表現されることもあって、ハンドルまわりのシンプルな造形などから視界が開けている感覚もある。

一方で、ハーレーダビッドソンなど本場のアメリカ車は、車種によってステップの位置がかなり前方にあって、小柄な方はリヤブレーキ操作やギヤチェンジがしにくいと感じることも。ただし、そんな場合はステップの移設キットがオプション設定されていることも多いので心配は無用だ。

低くドッシリ構えたクルーザーは、小排気量帯では乗りやすさが際立ち、街乗りやツーリングにもおすすめ。大排気量帯になると重厚なモデルが増え、街乗りにはちょっと持て余すようになるが、その代わりにロングツーリングでは無類の快適性を味わえるだろう。

カワサキ エリミネーターSE(ライダー身長168cm)
ホンダ レブル250(ライダー身長168cm)

ちなみに大排気量クルーザーはUターンが大変なイメージもあるが、足着きのよさを生かせば車重や大柄な車体からイメージするよりは怖くない。慣れれば低重心を生かしてスルッと安定した小回りもできるようになる……かも?

エンジンをじっくり味わいながら走るのが気持ちいい!

長い直線道路をクルージングするというのがクルーザーの本領で、エンジンは低速トルクを重視したものが一般的。中にはドラッガーやスポーツクルーザーなどもあるが、いずれもクルージング性能を犠牲にしたつくりにはなっていない。

バイクはエンジンを懐に抱えて走るような乗り物で、車高が低くリヤタイヤの上に着座しているようなクルーザーはよりエンジンの鼓動や後輪の蹴り出し感を強く味わえる。だから、一定の速度で淡々と走るっても気持ちいいのだ。

ハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド

直進安定性が凄い!

クルージング性能を考えて作り込まれているので、直進安定性はさまざまなカテゴリーの中でも随一。とはいえ、最新モデルはハンドリングも十分に考慮されていて、もちろんスポーツバイクには敵わないが、重厚な車体からは想像しにくいほどの運動性を発揮するものも。

一方で、直立したライディングポジションゆえに尻に体重が集中する傾向もあって、シートのクッション性がかなりよくないと尻や腰に負担がかかることも。愛車選びの際には、ツーリング装備の有無だけでなくシートのクッションにも注目すると、ご自身の使い道に合うかどうかが判断しやすいかもしれない。

ホンダ レブル1100T

バンク角が少なめ

車高が低いだけに、ハンドリングは自然なフィーリングに作られていても、バンクしていくと比較的カンタンにステップが接地してしまう。バンク角は、足着きのよさや直線道路での快適性とトレードオフの関係にあるので仕方がない。

なお、小~中排気量帯のものは車体がスリムなため、スポーツバイクほどではないが意外とバンク角に余裕がある車種もある。

コーナリングも意外といける

上記と関連するが、限られたバンク角や低速寄りのエンジンなどを理解し、節度を持った走りに徹すれば、ワインディングロードも意外なほど楽しめる。昔の車種ではハンドリングが不自然なものもあったようだが、2000年代以降のバイクであれば気にする必要はない。ただし、車重のあるモデルではブレーキで思ったより制動距離が伸びたりするので、無理は禁物だ。

カワサキ エリミネーターSE

まとめ

クルーザーは、かつて“アメリカン”という呼び名が一般的で、ハーレーダビッドソンとそれに類似したものという印象を持たれていたことも。最近はさまざまなメーカーが多様なコンセプトのマシンをラインナップしていることから、よりバイクの性格を表す“クルーザー”というカテゴライズが一般化している。

クルーザーというだけにクルージングが得意で、特にハーレーダビッドソンはアメリカ大陸の長い直線道路を飽きずに走り続けられる特性が与えられている。アメリカのバイクはかつての開拓馬の流れを汲むと言われ、直立したライディングポジションは、手綱を握る乗り手を思わせる。

ドコドコとした鼓動は開拓馬の力強い歩調を思わせ、また大排気量のV型2気筒が好まれるのは荒野の真ん中で1気筒が死んでも走り続けることができることに由来するという(諸説あり)。作り込みの多くの部分で、競走馬や自転車との類似性を指摘される欧州系バイクとは対照的なのだ。

そんな由来から、長時間を飽きずに乗り続けられるのがクルーザーと言える。オンロードモデルやアドベンチャーモデルから、少し違うのに乗ってみたいと思ったら、ちょっと試してみる価値はあるはずだ。

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