普段は争わないクモが、特殊な環境に生息すると争うのか-。錦江湾高校(鹿児島市)の生徒たちの研究が、日本生態学会の学術大会で最優秀賞に輝いた。発表した普通科の生徒たちは「地道に進めてきた成果が評価されてよかった」と喜ぶ。
大会は3月16~21日、主にオンラインで開かれた。受賞した高校生ポスター部門には、全国から63件の応募があった。発表した徳永瑛(あきら)さんら2年生9人は、ネットを介して審査員や研究者からの質疑に対応。独自性や論理の妥当性などが審査された。
徳永さんたちは、学校の理科棟に100体以上のジョロウグモが生息しているのを発見。「高密度に生息するクモは、餌を取り合っているのではないか」と疑問を持ち、昨夏から研究を始めた。
近くの森と比べ、棟内がより高密度であることを確認した後、クモの数と体長の変化などを調査。個体数が減ったり、共食いしたりする様子が見られたことから、「巣を張る場所や餌を巡る争いが起きた」と結論づけた。
9人は8月、岐阜県で開かれる全国高校総合文化祭(総文祭)の自然科学部門でも研究を発表する。徳永さんは「大会で見つかった課題点をクリアし、より良い発表ができるよう臨みたい」と気を引き締めた。