GIGAスクール端末の更新需要は複数年に分散する可能性──調達手法は都道府県主体の共同調達へ【MM総研調査】

MM総研は、GIGAスクール端末と法人向けパソコン市場規模の予測を、4月17日に発表した。

政府が2020年度に開始したGIGAスクール構想によって配備された学習用端末は、累計1200万台超となっている。そのうち、小中学生向けは耐用年数の関係から政府財源によって2024年度以降、順次更新される。さらに、パソコンの主力OSであるWindows 10の延長サポートが、2025年10月に終了する予定となっている。これらのことから、2025年度は企業や政府自治体が利用するパソコンの大型更新需要が予想され、2025年度におけるGIGAスクール端末の出荷台数予測は、474万台となっている。

前回のGIGAスクール端末調達は、公立小中学校の運営主体である市町村単位だったことから、事務手続きや調達仕様策定の煩雑さ、個々の自治体運用負担の軽減などが課題となった。それを踏まえて、2024年度以降のGIGAスクール端末更新は、都道府県単位での共同調達を予定している。前回のGIGAスクール端末は、出荷こそ2020年度に集中したものの実際の配備は複数年に分散した。財政措置は、2025年度に必要となる自治体が44.8%に留まることが明らかになっている。

都道府県ごとの2023年度補正予算、または2024年度予算額を参照するとともに、補助率などを考慮して、2024年度にGIGA端末更新にかかる予算で入れ替えを実施できる台数を推定した。それによると、現時点では最大総需要量の19%程度と予想される。しかし、詳細の需要調査や共同調達によるコストメリット(納入時期をまとめて1回あたりの調達数を増やし、ボリュームディスカウントを狙う)交渉は今後本格化することが見込まれるため、調達仕様書の作成や実際の調達には一定の時間がかかる可能性もある。

各自治体に対して、2月10日~3月11日の期間に行った独自の電話調査によれば、需要調査を行っている都道府県は79%に達する一方で、OS選定や仕様の取りまとめを実施する調達協議会の設置は34%に留まった。協議会が立ち上がった段階で、改めて詳細な需要調査や調達候補製品の調整が行われる公算もあることから、現時点での予測より一定幅で変動する可能性もあり得る。

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