ロシアからの移民流入阻止でフィンランド支援する=EU委員長

Anne Kauranen

[ヘルシンキ 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は19日、移民流入を「武器」に使うロシアの企てからフィンランドを守るため、EUが東方の国境警備に助力すると表明した。

フィンランドは昨年、ロシア経由でシリアやソマリアからの難民申請者が大量に押し寄せたことに対応し、ロシアとの国境にある陸路の検問所を全て閉鎖した。フィンランドは、ロシアが移民を送り込んで武器に使ったと主張したが、ロシアは否定した。

国境閉鎖により移民の流入は止まったが、フィンランドは再開を恐れて国境の一部にフェンスを建設し、警備を強化するなどしている。

国境地帯を訪れたフォンデアライエン氏は、ベラルーシが2021年11月にラトビア、ポーランド、リトアニアに対して同様の「ハイブリッド攻撃」を仕掛けたことが想起されると指摘。「プーチン氏とその仲間が、われわれの防衛を試し、われわれを混乱させるために移民を利用するのは周知の事実だ」と記者団に述べ、フィンランドによるウクライナ支援と北大西洋条約機構(NATO)加盟への対抗措置に違いないとの見方を示した。EUはフィンランドの国境警備に2億3000万ユーロの支援を行い、運用にも協力すると約束した。

フィンランドのオルポ首相は、自国としても移民阻止のための臨時法の整備を進めているが、「EUの措置も必要だ」と述べた。

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