中国奇瑞汽車、バルセロナ合弁工場を世界輸出拠点に

Joan Faus

[バルセロナ 19日 ロイター] - 中国自動車大手の奇瑞汽車は19日、スペインの同業EVモーターズとの合弁事業の一環として買収したバルセロナ工場が世界的な主要輸出拠点の一つになると発表した。2029年までに年間15万台の生産を目指す。

日産自動車が2021年に売却した同工場は、奇瑞の欧州初の工場で、生産は夏の終わりに開始する予定。合弁会社はまず元日産従業員150人を雇用し、最終的には最大1250人を採用する意向だ。

スペインのサンチェス首相は、奇瑞とEVモーターズが同工場に約4億ユーロ(4億2664万ドル)を投資すると述べた。スペインは2020年、欧州連合(EU)の新型コロナウイルス救済基金を利用して50億ユーロ規模の生産誘致計画を開始している。サンチェス氏は今回の合弁について、同国が欧州の一大電気自動車(EV)拠点になりつつあることを示していると強調した。

EVモーターズは、奇瑞と共有するプラットフォームと技術を使用して、1987年に販売が打ち切られたスペインのブランド「EBRO(エブロ)」を復活させる。第4・四半期にプラグインハイブリッド車とガソリンエンジン搭載車のSUV(スポーツタイプ多目的車)2車種の生産を開始する。

同社は公的資金も申請すると発表した。

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