『怪獣8号』ファイルーズあい演じる四ノ宮キコルが初登場! カフカとレノは二次試験へ

再び防衛隊の入隊試験を受けることに決めたカフカ。『怪獣8号』(テレビ東京系)第2話「怪獣を倒す怪獣」では、新キャラ・四ノ宮キコルが登場した。

前回はオープニングテーマを割いて、原作の丸々1話分を詰め込んで丁寧に描いていたが、第2話では少しテンポアップして、2話分を一気に描ききった。まず触れなければならないのは、第2話から使用されているYUNGBLUDによるオープニングテーマ「Abyss」だ。冒頭から異質な雰囲気で始まる映像は、決して多くを語らないが、一瞬にして映像の美しさに惹きつけられる。オープニングの最後には3Dで作られた怪獣8号が大きく映し出される演出も最高にクールだった。

怪獣警報が鳴り響く中で、自分が手にした怪獣の力を把握しきれずに、入院していた病院の壁や窓を大胆に破壊してしまったカフカ。本来であればかなりシリアスなシーンのようにも思えるのだが、力を制御できずに唖然とするカフカのコメディチックな表情もあり、緊張感は一切ない。レノと一緒に病院から脱走しているときに「おしっこがしたい」と話していたカフカが、我慢できずに胸から漏らしてしまうシーンはいかにもジャンプ漫画らしく、クスッと笑えるシーンだった。

だが、ここで防衛隊への望みが絶たれてしまったことに気づいたカフカ。怪獣の見た目になってしまった以上は、防衛隊の殺処分の対象になってしまうのだ。それに気づいたカフカの表情は怪獣の見た目に隠れていて見えないが、演じる福西勝也の落ち着いたトーンのセリフから心情を読み取ることができた。

●『チェンソーマン』パワー役でも知られるファイルーズあい演じる四ノ宮キコルが登場

そんな中で、カフカ以外にもう一体怪獣が出現。これによってカフカに当てられていた防衛隊の数は分散されるが、これはもう一方の怪獣を退治する隊員の数が減ることを意味している。レノからは隠れるよう言われていたカフカだったが、逃げ遅れた親子が怪獣に襲われているところを間一髪で救出。一振りで自分の体よりも大きい怪獣を吹き飛ばしてしまうカフカからは、もはや彼が人間ではないことを思い知らされる。そして、もう一発、渾身の力を込めて放たれたカフカの一撃によって、怪獣は血の雨に変わってしまった。佇むカフカに赤い血の雨が降り注ぐコマ割りは原作でも特に強調されており、松本直也のこだわりが見える漫画ならではの表現だ。それだけに映像に落とし込んだ際にこのシーンがどう表現されるのかを注目していて観ていたのだが、雨音が加わることでより臨場感のあるカットとなっていた。

怪獣と対峙して、もう一度幼なじみのミナの隣に立つことを決意するカフカ。しかし、カフカの存在は怪獣8号として世間に知られるようになり、日本中の防衛隊員から追われる身となってしまった。そしてこの3カ月後、カフカとレノは無事に防衛隊第一次試験を突破し、二次試験の会場となる西東京会場へと訪れることになる。

「そうあんたよ。さっさと気づきなさいよおじさん」

カフカをそう呼ぶのはツインテールがトレードマークのキコル。彼女を演じるファイルーズあいは『推しが武道館いってくれたら死ぬ』のえりぴよ役や『チェンソーマン』のパワー役でも知られているが、キコルの高飛車な態度と声色がぴったりと合っていた。初登場から特徴的なスーツを使って大きな車を片手で持ち上げたり、カフカに対して「怪獣臭くない?」と言い当てたりと、強烈な印象を残しているキコル。レノはキコルの名字である「四ノ宮」に敏感に反応しているあたり、ただものではない予感はするが……。個性豊かなキコルが登場したことで、画面が華やかになったことは間違いない。カフカとキコルの掛け合いにも注目したい。
(文=川崎龍也)

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