<レスリング>【2024年パリ・オリンピック・アジア予選・特集】出場選手の声(男子グレコローマン)

(2024年4月21日、キルギス・ビシュケク/撮影=保高幸子)


■67kg級・曽我部京太郎(ALSOK=準決勝でアジア大会2位の選手を破って出場枠獲得)「最初から最後まで攻めて、苦しい場面が何度もありましたが、よかったです。(準決勝の開始早々、自滅でのあわやフォール負けのピンチは)あそこでフォールされたら、自分の人生が終わってしまうと思いました。絶対に自分がパリへ行って金メダルを取る、という思いがありましたので、ここであきらめるのか、と自分を鼓舞して、絶対にフォールされない、という強い気持ちで逃げ切りました。そのあとは、前に出る自分のレスリングを貫きました。

出場枠を取れてよかった、という気持ちはありますが、これはパリで金メダルを取るための第一段階。これから金メダルへ向けての練習をしていきたい。(家族や日体大・松本慎吾監督が)こんな遠くまで来てくれて、その前で決められたのは本当によかったです。去年の世界選手権は本当に悔しい思いをし、パリでは絶対に自分が金メダルを取る、という気持ちで練習してきました。その思いを胸にマットに立ちました。

楽しかった。レスリングは楽しんでやるべきだと思います。だれよりも強くなって、パリで楽しんで金メダルを取りたい。(同期の清岡幸大郎が先に出場枠を取って)小さい頃から、負けたくない、という気持ちでやってきたんです。ここで負けたら、置いて行かれる。そんな悔しい思いはしたくなかった。ライバルですけど、お互いに、もっと強くなろうという気持ちを持ってやってきました。2人で金メダルを取ります。たくさんの人が応援し、サポートしてくれました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。パリで金メダルを取ることが本当の恩返しなので、今後も精進していきます」


■87kg級・阪部創(自衛隊=出場枠取れず)「グラウンド勝負になると思って、固くいこうと思いましたが、動きがちょっと悪かった。(第2ピリオドの)グラウンドの守りで2回、回ってしまったのが一番の敗因。最初にグラウンドの攻撃を得て、回せなかったことも大きかったですが、取れなくても防御でしっかり守らなければならなかった。守るべきところが甘かった。1回は回っても、2回は駄目です。(世界最終予選へ向けて)切り替えるしかない。駄目だったところを修正して、次は力を出せるようにしたい。今回の反省を生かし、世界予選で力を出したい」


■97kg級・仲里優力(佐賀県スポーツ協会=出場枠取れず)「2回戦の相手が一番強いと分かっていた。ここを勝てば、勢いをつけて(準決勝も)いけると思った。レジェンドの選手で、言うならば(39歳の)おじさん選手なんで、体力を削って勝つつもりでした。思った以上にやりづらかった。対策はしていたけど、相手は余裕を持っていて、待つスタイルを攻め込めなかった。強い、というより、うまい、という感じ。(相手が)待つことで自分が焦らされ、分かっていても技にかかってしまった。負けるにしても接戦なら収穫がありますが、テクられて(テクニカルスペリオリティ負け)は悔しさしか残りません。スタンド戦には自信がありましたが、足りないところが多かったので、世界最終予選へ向けて、やり直したい」


■130kg級・奥村総太(自衛隊=出場枠取れず)「大きなチャンスを逃した、という気持ちです。パリの権利を取るなら、アジア予選で、と思っていました。つかむチャンスが巡ってきたのに、逃してしまった。グラウンドの防御になったら動き続ける、という練習をしていましたが、成果が出せませんでした。1回戦は思っていたレスリングができ、グラウンドの課題の部分をスタンドで補えました。世界予選へ向けて、短い期間ですが、グラウンドの守りを強化するとともに、たけているスタンドをもっと磨き、前に出て相手をばてさせる闘いができるようにしたい。今回のことも経験。終わったわけではない。気持ちを切り替えてがんばりたい」

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