中田英寿氏、農機具のまさかの価格に「フェラーリかよ!」 物価高が招くコスト高を指摘

イベントに登場した中田英寿氏【写真:ENCOUNT編集部】

坂本哲志農水相と対談

元サッカー日本代表で実業家の中田英寿氏(47)がオーガナイザーを務めるイベント『CRAFT SAKE WEEK』が18日から29日まで東京・六本木ヒルズアリーナで開催されている。22日からは日本食をアピールする企画『CRAFT SAKE UNIVERSITY』が始まり、中田氏が坂本哲志農水相との対談の中で日本農業にまつわる私見を語った。

中田氏は現役引退後、2009年から47都道府県をめぐって日本の農業や農家の実情を学び、農業ビジネスを立ち上げた。日本の農産物のブランド力を高める一環として、『CRAFT SAKE WEEK』などのイベントも主宰している。

対談に出席した中田氏は「日本には素晴らしいものがたくさんあり、お酒やお茶なども海外からの需要が増えています。しかし酒蔵や農業従事者の数が減っていて、需要があるのに人が減っている課題を解決したい」と発言。「農業従事者の平均年齢は70歳と言われていて、5年後10年後にこの人たちがごそっと減ってしまいます」と、農業従事者の高齢化を指摘した。

「これから辞めていく人も増え、気候変動で農家や漁師の生活もおびやかされているという話も現場から聞きます」という中田氏は、「5年くらいで食糧危機が来るんじゃないか。何かでききないかと考えています」と現状に危機感をにじませた。

大臣との対談の中で、話題は新規就農者を増やす取り組みに。中田氏は「例えば僕が中田農業法人を作って、農業に参入できますか?」と質問すると、坂本大臣は「いきなりは無理ですね。1年や2年農業をやって利益が出ないから『無理』と辞めてしまうのではなく、10年20年と、地元の人達に施策を説明して共存共栄で農業を続けて農地を守っていけるか」と農地の維持の重要性に言及した。

また中田氏は「お米が好きでお米の農家にもよく行きますが、最近は農機具の価格も上がっていて、1台3000万円って『フェラーリかよ!』と、物価高が農機具や農業でもコスト高を招いていることを指摘。自身の経験ならではの質問を投げかけ、日本の農業政策の現状を来場者に伝えた。イベントの最後には「これからも海外の農産物と競合できる需要はあり、絶対に会社をつくってを農業やってみたい。自分はもちろん、多くの人が農業に興味を持って参入できる仕組み作りに携わっていきたいです」と、新規参入者を増やすビジネススキームづくりへの意欲を見せた。ENCOUNT編集部

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