梅ひょう被害21億5千万円 和歌山県が特別融資制度

ひょうの被害を受けて傷が付いた梅の実(9日、和歌山県みなべ町東本庄で)=県提供

 和歌山県は22日、3月のひょうによる県内梅被害額は21億5274万9千円で確定したと発表した。産地のみなべ町や田辺市が中心。ひょうによる梅被害額は、2000年以降で2番目に大きい規模となった。

 果実に傷が付いたことによる品質低下の被害額。ひょうは3月20日に降り、県は当初、被害額を3億8894万円と発表したが、果実が肥大するのに伴い新たな被害が明らかになった。

 みなべ町と田辺市のほか、白浜、上富田、すさみ、印南、日高川、有田川の各町でも被害が確認され、被害面積は4168ヘクタールに上る。県によると、00年以降では、06年3月に田辺市やみなべ町などで約25億5千万円の被害が出たのが最悪で、これに次ぐ規模という。

■県が特別融資制度

 県は今回の被害を受け、農協を融資機関とする知事特認の特別融資を実施する。経営維持に必要な経費として200万円を上限に貸し付ける。利子は県と市町村、農協が負担する予定で、無利子で借りることができる。5月7日~9月末に受け付ける。このほか、県は日本政策金融公庫による融資や農業保険制度、国補助事業も紹介している。

 岸本周平知事は22日の定例記者会見で「実のなり方が少なく生産量が明らかに減少する上に、残ったものにひょうの被害があった。心から残念。農家の皆さまに寄り添ってさまざまな施策を打っていきたい」と話した。

 融資などの制度の詳細は県経営支援課(073.441.2881)、国補助事業については県果樹園芸課(073.441.2900)へ。

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