「複雑。OKではない」「信じられない試合」3-0から一転…2部に薄氷勝利にマンU監督が心境吐露。FA杯決勝は因縁のダービー

現地時間4月22日に開催されたFAカップの準決勝で、マンチェスター・ユナイテッドは、坂元達裕(怪我でメンバー外)が所属する2部のコベントリーと対戦。3-3で突入したPK戦の末に勝利を収め、宿敵マンチェスター・シティとの決勝に駒を進めた。

ユナイテッドは、23分にスコット・マクトミネイが先制点を奪うと、45+1分にハリー・マグワイア、58分にブルーノ・フェルナンデスもゴール。3点をリードする楽勝ムードとなる。

しかし、そこから猛反撃に遭い、71分、79分、そして終了間際の90+5分と3連続失点。まさかの同点に追いつかれ、PK戦までもつれ込むと、1人目のカゼミーロが失敗したものの、守護神アンドレ・オナナのセーブもあり、最終的には昨年ファイナルで敗れたシティへのリベンジの機会を得た。

クラブ公式サイトによれば、エリク・テン・ハーフ監督は、体力も相当消費する薄氷の勝利となったことを受け、「複雑な気持ちだ。今日の内容はOKではない」と発言。勝って兜の緒を締めるがごとく、反省の意を示した。

「信じられないような試合だった。長い間、完全に主導権を握っていたのに、終盤にそれを手放してしまった。それでも耐え、PK戦に勝てた。75分間は主導権を握っていたが、最後の15分間でコベントリーがやったことは褒めなければならない。我々は改善しないと。あれだけコントロールできていれば、簡単に勝てるはずだ」

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PK戦前のメッセージを問われた際には、「あの瞬間はメンタリティ次第」と振り返った。

「プランがあり、選手たちに全幅の信頼を寄せている。だからプラン通りにやろうと話した。PK戦で勝つ自信はあった。いつもはカゼミーロも決める。PKの練習もやっている。私は常に冷静で、集中し、選手たちがPKを決められると知っている。アンドレなら最低でも1本は止めてくれると確信している。でも1本目を外せば、どうなるか分からない」

シティに雪辱を果たし、8年ぶりのFAカップ制覇へ。就任2年目のオランダ人指揮官は、団結の重要性を説く。

「ピッチでの団結、ベンチの団結が重要だ。サブ組が非常に重要な役割を果たしているのは間違いないが、ファンも同様だ。ユナイテッドが多くの勝利を収め、毎年最低でも1つのトロフィーを目ざすような時代に戻る。そのためには団結が必要で、共に戦い、雰囲気を作る必要がある。そして、そこにはファンの存在が非常に重要だ。だから私はファンに感謝を伝える」

プレミアリーグでは、優勝争いを繰り広げるシティにシーズンダブルを喫し、20ポイント以上もの差を付けられているユナイテッド。最後にFAカップでのマンチェスター・ダービーで一泡吹かせられるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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