全国に29か所「オートバイ神社」とは? メタリックな「社」にバイク・ライダーが続々集まる…国道29号沿いに誕生

みなさん、「オートバイ神社」という神社をご存知でしょうか?
実は全国に29か所の登録があり、鳥取県にも先週、初お目見えしました。一体どんな神社なんでしょうか?

鳥取県若桜町の国道29号沿いにある道の駅若桜「桜ん坊」。

土曜の朝、なぜか次々にライダーたちが集まって来ます。
そして、駐車場はあっという間にオートバイであふれました。ナンバーを見ると…岡山に姫路、徳島や長崎もあります。

みなさん何がお目当てかというと…

駐車場の一角に設置されたメタリックな社。のぼりには「さくらオートバイ神社」とあります。

オートバイ神社? 聞きなれない神社ですが、これは一体?

日本二輪車文化協会 吉田純一 会長
「オートバイ神社はライダーの安全安心を願って設置していっているものです。全国のオートバイ神社巡りをしていただこうというのが1つの目標です」

オートバイ神社とはツーリングの拠点にしようと日本二輪車文化協会が考案し、10年ほど前から全国で認定を進めています。

第1号の認定を受けたのは実は、お隣、島根県の浜田市金城町にあるオートバイ神社。2014年に建立されたそうです。知っていましたか?

今回、さくらオートバイ神社は29号目として認定を受けました。ちなみに、国道29号と同じ数字となったのは、たまたまなんだとか。

この日は、完成記念式典が開かれ、平井鳥取県知事や若桜町の上川町長などが出席。神社では神事が執り行われ関係者が玉串をささげました。

鳥取県 平井伸治 知事
「(ライダーの数が)すごいですね。やはりオートバイに乗って仲間を探しに旅をする、それがこの若桜なんだろうと思います。これからますますオートバイでにぎわう、そんな29号線が見られることを期待しています」

式典後には、さっそく多くのライダーが神社にお参りをしていました。

ライダー
「とりあえず安全運転で、無事故無違反で」
「これからのバイクライフが安全でかつ楽しく生活できるように」

ところで、この道の駅にオートバイ神社を設置しようと考えたのは、地元のツーリング愛好者たちです。

その中の1人、石井健治さん。特別な思いでこの日を迎えました。

若桜にぎわい創出実行委員会 石井健治さん
「国道29号線というのは、昔からたくさんのライダーでにぎわっていた場所なんですけど、もっともっとゆっくりと休憩しながら滞在してもらえる拠点が若桜にも欲しいなというところで」

兵庫県姫路市から鳥取市に至る国道29号は、道幅が広くて信号も少ないことから、ライダーたちにとっては絶好のツーリングルートとなっています。

ライダー
「やっぱりいい道ですよね。僕らにとっては信号が少ないので走りやすい道です」
「山の景色や楽しい道ワインディングなどが好きで通ります」

そのライダーたちを呼び込み、地域ににぎわいを作りたい。
お隣、八頭町にはスズキ製大型バイク「隼」の聖地として知られる隼駅などの観光スポットがありますが、若桜町にはありませんでした。

そこで石井さんたちが思いついたのがオートバイ神社だったのです。

神社の社はオートバイの部品に使うアルミやカーボンなどで手作りし、賽銭箱はバイクのマフラーを通して入れる形にするなど工夫を凝らしました。

また、写真スポット用のボードを設置したほか、Tシャツやお守りなどのオリジナルグッズも販売。御朱印ならぬ「来度印(らいどいん)」を集める来度印帳も扱います。

ライダー
「絶対寄ってお茶して、というふうなかたちで、いい場になるんじゃないかな」
「若桜町は皆さん温かく迎えてくださるので、そんな感じでみんな楽しく集まれれば良いじゃないかと思う」

若桜にぎわい創出実行委員会 石井健治さん
「一過性のイベントではないので、どんどんこれから若桜の『さくらオートバイ神社』を利用していただいて、みなさんの交流の場所にして欲しいと思っています」

鳥取にできた「オートバイ神社」。実行委員会では今後、近くの観光スポットとも連携して29号沿線を盛り上げていきたいとしています。

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