河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う

責任の行方は…(C)日刊ゲンダイ

《ワクチンの効果や安全性などは厚労省の有識者による審議会で確認をして、承認をします。それには私は関わっておりません》

《承認されたワクチンをファイザーやモデルナと交渉して入手し、EUと交渉して日本向けの輸出の了解をもらい、自治体に配布してうってもらうのが私の責任です》

新型コロナワクチン接種を巡る集団訴訟をめぐり、訴状で「大臣による隠蔽と評さざるを得ない」などと言及された河野太郎デジタル相(61)が自身のX(旧ツイッター)を更新。「コロナワクチンの後遺症の責任はとらないのですか?」という疑問について、自身の考えについて投稿したことがSNS上で話題となっている。

コトの発端は、ワクチン接種後に死亡や後遺症を発症した13人が国を相手取り集団提訴したことだ。

訴状では2021年6月にユーチューバーのはじめしゃちょー(31)と河野大臣の対談した動画が取り上げられ、河野大臣が「アメリカで2億回打ってるが、ワクチンで死んでいる人は1人もいない。そんなに心配することはないです」などと発言していたため、河野大臣の責任を問う声が上がったのだ。

河野大臣が「責任」についてXを更新すると、SNSでは《つまり、俺は「運び屋」だっただけで知らんと逃げたわけね》《たしか責任は全部私にある、みたいな発言をしていたはず》《いや、副反応の責任には触れていない》などと様々な意見が飛び交う状況に。

■「リスクコミュニケーション」はしっかりと行われていたのか

ワクチン接種の効果や安全性については、過去の国会質疑でも度々指摘されていた。

2021年当時、ワクチン担当だった河野大臣は何と説明していたのか。国会会議録で確認すると、主な発言は次の通りだ。

「ワクチン接種の自治体までのロジスティクスについてお尋ねがありました。新型コロナウイルスのワクチンについては、昨年の基本合意も踏まえ、希望する方々に速やかに接種を行うことができるよう契約交渉を行ってまいりました。(略)まずは新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会のある医療従事者から接種を開始できるよう準備をしているところでございます。令和の運び屋と言われるように頑張ってまいります」(21年1月22日の参院本会議)

「我々として、確かに副反応はゼロにはできませんけれども、ベネフィットがリスクを上回る、そこをきちんと御説明をし、万が一アナフィラキシーのような重篤な副反応が出たときも、現場の医師、看護師がしっかりと対応できる体制をつくっていく、そういうことを正確に情報発信してまいりたいと思っております」(21年2月15日の衆院予算委員会)

「国民の皆様に正確な情報をお伝えをしてワクチン接種を受けていただくために、私がロジとリスクコミュニケーションを担当いたします。ワクチン接種が行われていく中で、様々な効果、安全性あるいは副反応といった情報は、PMDA、そして厚労省の審議会で様々評価をされます。その取りまとめは田村大臣が行いますが、それを基にリスクコミュニケーションを私が担当するということでございます」(21年2月17日の衆院予算委員会)

「それはもう責任は全部私にございますが。それでも、入ってきたワクチンをなるべく早く打っていただく、それが国民の健康にとって大事だろう、そういう判断でございます」(21年6月9日の衆院内閣委員会)

「リスクコミュニケーション」とは、リスクに関する正確な情報を関係者の間で意思疎通しながら、共有し、相互理解を深めることだが、それがしっかりと行われていたのか。裁判の展開に注目だ。

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