スイス中銀、国内銀の最低準備金引き上げ 利払い負担軽減

[チューリヒ 22日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は22日、国内銀行が預け入れを義務付けられている最低準備金を引き上げることを明らかにした。

また、最低準備率を2.5%から4%に引き上げる。7月1日付で国立銀行条例を改正する。

最低準備金には利子が付かないため、中銀の利払い負担が減る見通し。

関係筋によると、中銀は年間6億スイスフラン(6億5905万ドル)前後を節約できる見通し。

同国の銀行最大手UBSの株価は午前の取引で1.5%以上下落。

チューリヒ州立銀行のアナリストは、大きな変更であり、銀行は利息を稼げない準備金が増えることになると指摘。銀行の業績にどの程度の影響があるかは詳細な分析が必要だと述べた。

中銀は声明で「これらの調整により、金融政策が引き続き効果的かつ効率的に実施されることになる」と説明した。

条例改正により、解約可能な顧客預金から発生する負債は今後、最低準備金の算出に全額含まれることになる。こうした負債は20%しか算出に含めないとしていたこれまでの規定を廃止する。

今回の変更は現在の金融政策スタンスに影響しないとしている。

スイス政府は今月、UBSなどシステム上重要とみなされる国内大手4銀行に対する監督を強化するための具体的な提案を盛り込んだ報告書を公表した。

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