現地時間４月20日に行なわれたプレミアリーグ第34節で、アーセナルはウォルバーハンプトン（ウルブス）に敵地で２-０の勝利を挙げたが、冨安健洋は登録メンバーから外れた。
アジアカップの後、ハムストリングの負傷で長く戦線を離脱し、30節のマンチェスター・シティ戦でようやく復帰した冨安だったが、ミケル・アルテタ監督は「（今年初めての先発出場となった３日前のチャンピオンズリーグ）バイエルン戦で打撲を負い、少し腫れがあるため、プレーできる状態ではなかった」と欠場の理由を明かしている。
アリアンツ・アレナでのバイエルン戦、冨安は激しいチャージを受けて倒れ、ピッチ上で治療を受ける場面があったが、エディー・ヌケティアと交代する86分まで堅実なプレーを披露していた。
アーセナルの左SBといえば、オレクサンドル・ジンチェンコ、ヤクブ・キビオルが不安定なプレーを見せたことで、ようやく復帰してきた冨安のスタメン定着を待望する声が多く上がっており、実際にバイエルン戦でもファーストレグでキビオルが翻弄されたレロイ・ザネを封じ切って、多くの現地メディアから高評価を下された。
そうしたこともあってウルブス戦前、サッカー専門サイト『FOOTBALLFANCAST』は、バイエルン戦だけでなく、昨季（14節）のウルブス戦での冨安の好パフォーマンスを振り返り、背番号18が守備で完璧だっただけでなく、ブカヨ・サカの先制ゴールをアシストし、ボールタッチ数やパス本数などで優れたスタッツを記録したことを紹介した上で、以下のように冨安を称賛して、「あの試合は彼が先発出場しなければならない理由として十分すぎるはずだ」と主張していた。
「冨安の最も優れた点のひとつは、そのパフォーマンスの一貫性だ。彼はスペイン人監督から常に頼りにされており、重要なチームメンバーとなっている。彼が起用されるであろう左SBは、アルテタ監督にとっては最近、やや問題のポジションとなっていたが、バイエル戦での冨安は、ジャーナリストのライアン・テイラー氏が『多才な戦士』と称したように、またも完璧なパフォーマンスを披露、その充実したスキルセットをさらに際立たせた」 残念ながら、ウルブス戦は欠場となり、怪我の具合が気にかかるところだが、同メディアは「残りシーズンでは、冨安が左SBの第一候補となる可能性がある」とポジティブに展望している。
アーセナルのクラブ専門サイト『PAIN IN THE ARSENAL』は、来季に目を向け、現在その去就が話題になっているジンチェンコが今季限りで退団となった場合、恩恵を受ける選手３人とそうでない選手２人を選定。冨安は、もちろん前者でその名を挙げられた。
「今季、ジンチェンコが不在になると、冨安は安定して試合に出場している。この日本代表選手は、戦術的な違いをチームにもたらせるため、ジンチェンコを売却することは、ほとんど全ての守備的なポジションでプレーできるほど多才な彼にとってはメリットとなるだろう。冨安はファンからも多くの支持を得ており、またアルテタ監督も彼を高く評価しているため、スタメン入りの可能性が高い」
ちなみに、ウルブス戦で左SBとして出場したキビオルに対して、現地メディアはネガティブな評価が多く、「アーセナルの左SBは今なお安全とは言えず、今回もその問題が浮き彫りになった」（『PAIN IN THE ARSENAL』）、「今なおアーセナルの左SBは補強の余地がある」（『football.london』）などと報じられており、図らずも冨安の不在の大きさが強調される結果となっている。
構成●THE DIGEST編集部
