「95」細田佳央太が明かす髙橋海人への思い――「すごいとしか言えないですね。嫉妬することが本当に多くて」

髙橋海人さん演じる高校生の広重秋久(通称:Q)が、1995年の渋谷を舞台に、大人が作った社会の仕組みにあらがい、大切なものを守りながら駆け抜けていくさまを描くドラマ「95」(テレ東系)。Qの同級生である翔(中川大志)、セイラ(松本穂香)、マルコ(細田佳央太)、レオ(犬飼貴丈)、ドヨン(関口メンディー)と共に、混沌と狂熱が入り交じる時代をどんなふうに過ごしていくのか、その先にあるものとは…? 豪華出演陣が魅せる青春群像劇です。

今回は、Qと中学時代から交流があるマルコを演じる細田佳央太さんを直撃取材。本作ならではの驚きの役作りや主演の髙橋海人さんへの思い、すてきなご友人とのエピソードなどを明かしてくれました!

――本作で演じられるマルコは明るく奔放な男子ですが、役作りはどのようにされたのでしょうか?

「今回、今までと違って城定秀夫監督と事前にあまりお話してないんですよ(笑)。というのも、撮影に入る前、衣装合わせの時に城定監督とお会いした際に『海人くんや大志くんと同じ高校で、2人の後輩なんだよね?』ということと、前もっていただいていた1995年についてまとめてあるノートの内容に関して、少しお話したくらいで。そして、衣装合わせが終わった後に城定監督から『役のことは話していないけど大丈夫だよね?』と聞いていただき、『大丈夫に…してきます!!』とお答えした形だったんです(笑)。でも、原作や台本を読ませていただいたら、マルコは明るくて奔放で、口も達者というすごく分かりやすいキャラクターだったんですよね。だから、そこを大事にしていました。また、チーム(仲間)内でのQちゃんに対しての距離感というのも意識しました。個性豊かなメンバーが多い中、マルコは一般人に近い感覚なので、そこは親近感があるのかなと。だから、他のメンバーとはまた違ったQちゃんへの接し方というのを意識して演じていましたね」

――そういった点を意識されて、後は自由に演じられていたんですね。

「そうですね。マルコは愛嬌(あいきょう)があるキャラクターなので、衣装もかわいいものが多くて。オーバーオールを着たり、帽子をかぶっていたり、振り幅があって何でもできるなと。でも、逆に言えば役者としての技量が試されている感じがして、それはちょっと怖かったですね(笑)」

――そうやって作り上げられたマルコに、あらためて注目したいです! 細田さんといえば、昨年放送されたNHK大河ドラマ「どうする家康」の松平信康役で、視聴者の胸を打つ演技をされたのも印象深いですが、その経験やそこで学ばれたことで本作で生かされていることはありますか?

「時代も役も全然違いますもんね(笑)。『どうする家康』という作品で、あの先輩方の中でお芝居をさせていただいて学ばせていただいたことって、今すぐ生かせるというより、自分が皆さんの年齢になった時に出せるものがたくさんあるんじゃないかなと思います。あとは、僕の性格上、うまくやろうとすると失敗することが多いので(笑)、身になったものが自然と出ていたらいいなと思いますね」

――「95」では共演者の方々の年齢層も変わりますよね。撮影現場の雰囲気はどうでしたか?

「めちゃくちゃ和気あいあいとしていて、ずっと楽しかったです! 僕のクランクインのタイミングが、第3話(4月22日放送)の『ストリートフリッパーズ』という雑誌に載る写真を撮影するシーンだったんですけど、その時点でそれぞれのキャラクターのカラーがすごく出ていたので、皆さんとも打ち解けやすくて入りやすかったですね」

――Qを演じる髙橋海人さんの印象はいかがでしたか?

「すごいとしか言えないですね。嫉妬することが本当に多くて。海人くんは、ありがたいことに『佳央太はできるじゃん!』と僕のことを褒めてくれるんですけど。僕は、彼の目が好きなんですよ。純粋な雰囲気の中に力強さもあって、でも時折見せる悲しげな目からは繊細さも感じられて…。第1話(4月8日放送)のQちゃんの『人が死んでるんですけど! まず悲しもうよ。関係ないことにすんなって!』というセリフで見せてくれたお芝居とかも、とても好きなんです。俳優以外のお仕事もある中で、演じる時にあれだけ集中してやられているのは本当にすごいと思います」

――髙橋さんへの思いが伝わってきます! 撮影中もお話されていたんですか?

「そうですね。3年前の『ドラゴン桜』(TBS系)でも共演させていただきましたし、高校の先輩ということもあって、お兄ちゃんみたいにいろんなお話をさせていただきました」

――ドラマではQが翔たちと出会い、お互いかけがえのない存在になっていきますが、細田さんにとって同じように大切なご友人とのエピソードがあれば教えてください。

「仲がいい友人がいるんですけど、僕が体調を崩した時に『久しぶりに熱出したわ』と連絡したんですよ。そしたら、同じように直近で体調を崩していたらしく、『そういう時って精神的にも弱くなるから』と励ましてくれたんです。『自分も気持ちが理解できるから、頼ってくれ』と言ってくれて。それにすごく救われましたね」

――体調が悪い時にそういった連絡をもらえると余計うれしいですよね。

「そうなんですよ! ありがたいですよね」

――では最後に、日々過ごされる上で大切にされている考え方があれば教えていただけますか?

「仕事でいうと、“とにかく全部一生懸命全力でやる”ということの大切さを『町田くんの世界』という作品の時に学ばせていただきました。あとは、謙虚と感謝と努力を忘れないということを役者仲間の中でも話しています」

――謙虚な姿勢、めちゃくちゃ伝わってきています!(笑)。

「いやいや!(笑)。僕らって、表に立たせてもらっていますけど、ものすごく支えていただいている仕事なので。たくさんのスタッフの方々にサポートしていただいているので、それだけは忘れないようにしています!」

【プロフィール】

細田佳央太(ほそだ かなた)
2001年12月12日生まれ。東京都出身。NHK大河ドラマ「どうする家康」、「フェルマーの料理」(TBS系)、「ドロップ」(WOWOW)、「ドラゴン桜」(TBS系)、映画「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」「町田くんの世界」などの話題作に出演し、多方面で活躍している。

【番組情報】

テレビ東京開局60周年連続ドラマ ドラマプレミア23「95」
テレ東系
月曜 午後11:06~11:55

取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当) 撮影/蓮尾美智子

© 株式会社東京ニュース通信社