オリックス「新・7回の男」小木田敦也が心待ちにする山崎颯、宇田川との“小木田世代揃い踏み”【オリ熱スタイル2024】

オリックスのブルペンを支える一人として昨年から奮闘中の小木田敦也が開幕から8試合に登板し、5ホールド、自責点2(いずれも21日現在)と好調だ。

今年は同級生の山崎颯一郎が何とか開幕には間に合ったものの本来の力を発揮できず、ファーム降格。宇田川優希も出遅れ(21日にやっと一軍に今季初昇格)、阿部翔太も万全の状態ではないというチーム事情もあり、小木田は主に「7回の男」としてセットアッパーのアンドレス・マチャド、クローザーの平野佳寿につなぐ勝利の方程式に組み込まれている。

昨年は山本由伸(現ドジャース)、山崎、宇田川の同級生とともに「小木田世代」として売り出されたが、小木田に対するベンチの信頼は厚く回またぎでの登板でも、チームがビハインドの場面でも試合を崩さなかった。

本人は「勝ちパターンで投げてるピッチャーではないので、 できるだけアピールしたい」と話していたが、こうした確かな努力が身を結んで見事にステップアップしてみせた。今年はストライク先行で早く追い込む場面が目立つが「去年よりはコントロール重視で。コントロールを磨いて、キャンプとか取り組んではきてたので、去年よりかいい状態で攻められてるかなとは思います」と充実感をにじませる。

「自分は投げて感覚をつかもうとするので、ピッチングに入る時は『アウトコース行きます』とかっていうことだけじゃなくて、アウトコースのどこに投げるかのをはっきりキャッチャーに伝えてから投げるようにして。そこをキャンプで取り組んでたので、ちょっとは成果は出てるかなと思います」
投球の精度を上げるための努力がストライク先行という形で結実。自身が思い描く「攻め」のピッチングができるようになった。

同じ“小木田世代”の山崎、宇田川については「去年、一昨年と由伸もいましたし。颯一郎と宇田川がリリーフを引っ張ってってくれて、同級生として誇らしいというか、羨ましい部分がたくさんあったんで。颯一郎も宇田川もまだ始まったばかりなんで、戻ってきてくれたら心強いです」と同級生3人の揃い踏みを心待ちにしている様子だったが、その一方で「やっぱり負けたくない気持ちはあるので。そこは今チャンスだと思います」と付け加えるのを忘れなかった。

宇田川に続いて山崎が一軍に復帰した時、3人による高いレベルでの競争が始まる。

文●THE DIGEST取材班
写真●野口航志(DsStyle)

© 日本スポーツ企画出版社