「手取りと額面の違い」知っている? 若手社会人に聞いた 給与明細を見て驚いたこと

給与明細の見方を正しく知っている人はどれくらいいる?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

4月も下旬になり、待ちに待った初めての給料日を迎えた新社会人もいるでしょう。支給と同時に、会社から配付されるのが給与明細です。そこには各種手当や差し引かれた税金などの内訳が記載されていますが、毎月きちんと確認していますか? 「給与明細」について、25歳以下の若手社会人を対象にしたアンケート調査をご紹介します。

◇ ◇ ◇

毎月配付される給与明細 確認する人の割合は

収入を管理したり、ローンを組んだりするのに大切な給与明細。みなさん、どのように扱っているのでしょうか。

YouTubeチャンネル「脱・税理士スガワラくん」を運営する税理士の菅原由一さんは4月8日、「給与明細」について18歳以上25歳未満の会社員の男女全国1000人を対象にアンケート調査を実施しました。

まずは、社会人2年目以上の917人に「給与が支払われた際、給与明細を確認するか?」という設問です。

1位「必ず確認する」(62.9%)
2位「ときどき確認する」(20.3%)
3位「あまり確認しない」(11.2%)
4位「確認しない」(5.6%)

給与明細を「必ず確認する」「ときどき確認する」を合わせると、8割以上の人が給与明細を確認していることがわかりました。しかし、逆に2割弱の人は給与明細をほとんど「確認しない」ようです。

給与明細には、仕事の対価として支払われる大事な情報が記載されています。菅原さんによると、給与明細で確認すべき項目は次の3つ。

・控除項目
・手取り額
・支給日と締め日

「控除項目」とは、給与から差し引かれる税金や保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料など)のこと。正しく計算されているかを確認する必要があります。

「手取り額」とは、税金などが差し引かれたあとの、実際に自分の銀行口座に振り込まれる金額です。手取り額の計算が合っているか、振込額と一致しているか確認しましょう。

そして「支給日と締め日」は、給与が支給される日(支給日)と、労働日数の基準とする日(締め日)です。適切に記載されているか確認しましょう。

手取りと額面の違いを知らない人は3割以上

次に、「給与についてどんなことを知っているか?」という設問です。

1位「手取りと額面の違い」(64.9%)
2位「社会保険料、所得税、住民税は給与の総支給額から天引きされる」(60.1%)
3位「賞与にも社会保険料と所得税がかかる」(46.8%)
4位「社会人2年目の6月から住民税が課税される」(46.1%)

意外にも、手取りと額面の違いがわからない人が3割以上(35.1%)もいます。また、賞与にも社会保険料と所得税がかかることを知らない人は約4割(39.9%)でした

「額面」とは基本給に各種手当やインセンティブなどを足した、会社から支払われる総額のこと。そこから税金や社会保険料などを天引きして支払われる金額が「手取り」です。

また、「社会保険料」には健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料(40歳以上)、労災保険料の5つの項目があることも知っておきましょう。これらは給与や報酬に応じて一定割合で引かれます。

半数以上が手取りの少なさに驚き

最後に、「給与明細を見て驚いたことはあるか?」という設問です。若手社員たちは、初めての給料でどんなことを感じたのでしょうか。

1位「思っていたよりも手取りが少なかった」(51.6%)
2位「税金や社会保険料などが想像以上に引かれていた」(40.8%)
3位「給与明細で知らない控除が引かれていた」(11.2%)
4位「社会人2年目の6月から住民税が課税された」(11.1%)

税金などが差し引かれることはうっすらと知っていても、実際の数字で見ると驚いてしまう人は少なくないようです。

自分の収入や支出を管理するうえで、非常に重要な書類である給与明細。菅原さんは、給与明細を取っておくことをおすすめしています。

「将来の確認や証明のために保管しておくことで、必要なときに役立ちます。また、給与明細に誤りがあった場合、訂正や補足のために必要となることがありますので、大切に保管しておくことが重要です」

4月25日は、ほとんどの企業で給与が支払われる日です。2024年度入社の新社会人にとっては初めての給与。明細を必ず確認するようにしましょう。

© 株式会社Creative2