将来を見据えた上で間取りを考える大切さ
GWを控え、住宅展示場などに足を運ぶ予定の方もいるでしょう。住宅購入ではとても大きな資金が必要となるため、できるだけ後悔したくないもの。
株式会社リクルートの調査研究機関であるSUUMOリサーチセンターが2023年11月16日に公表したデータによると、全国の注文住宅の建築者・検討者を対象に行った調査の結果、建築費用(土地代を除く)は平均3186万円で前年よりも33万円増加し、直近8年の中で最高値になったそうです。
また建築者(全国)の世帯主年齢は平均39.9歳で前年よりも1.1歳上昇し、世帯年収は平均853万円。前年調査よりも5万円増加したとのことでした。
そして住宅での暮らし方については、20~40歳代は「家族のだんらんが楽しめる暮らし」「子育てを楽しむ暮らし」を求める傾向が強く、年代が高くなるほど「健康的な暮らし」「防犯・防災などに配慮した安心、安全な暮らし」「地球環境に優しい暮らし」を求める割合が高くなるようです。
これを踏まえて本記事では、茨城県で注文住宅を購入した方の体験談を紹介したいと思います。
- 【居住地】 茨城県
- 【購入価格】 4000万円
- 【現在の年齢】 40歳代
- 【購入時の年齢】 30歳代
後悔等をもとに、自分にあった住まいづくりを実現したいですね。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
注文住宅での後悔ポイント1:壁紙が安っぽくなった
「壁紙にコストをかけなかったら安っぽくなってしまった」
壁紙には安価な量産型のビニールクロス(普及品)から、汚れ防止、表面強化、消臭、調湿などの機能をもった機能性壁紙のほかに、レーヨン、絹、麻、綿などを原料とした布クロスなど、さまざまな種類があります。
価格もピンキリで、色柄が豊富で多機能、高耐久なものほど高額になります。
したがって、全室を同じ種類の壁紙で統一するよりも、部屋の使い方や暮らし方に合わせて部分的に変更した方が良い場合もあります。
注文住宅での後悔ポイント2:人工芝が安っぽい
「庭に手入れが楽な人工芝を敷いたら、全体的に安っぽくなってしまった」
人工芝は手入れが楽で虫もわきにくく、ほとんど維持費がかからないのがメリットです。
しかし、夫婦が後悔するように全体的に安っぽくなってしまうこともあるようです。
また夏場などの気温の高い時期には熱を持ってしまうので暑くなりやすいという欠点があります。
一年中青々としているため、季節感が損なわれるといったデメリットを挙げる声もありました。
注文住宅での後悔ポイント3:吹き抜けを作ったら光熱費が高くなった
「階段をおしゃれな吹き抜けにしたら、光熱費がかかって後悔している」
吹き抜けに階段を設置すると明るくて風通しが良く、開放的な間取りになるのが最大のメリットといえます。
一方で、空調機器の効きが悪くなるので光熱費がかかり、音やにおいも上下階に伝わりやすくなります。
したがって、それらへの対策が不可欠となります。
注文住宅での後悔ポイント4:3階の物置が不便
「3階に物置を設置したが、階段が急なので物の出し入れが不便なため使わなくなってしまった」
3階への上り下りは生活する上で負担になる可能性があります。
特に年齢を重ねるにつれて、荷物の上げ下ろしが伴う場合には、階段を踏み外す危険性も。
したがって物置や納戸の設置場所などを検討する際には、将来を見据えた上で間取りを考えることが大切です。
注文住宅での後悔ポイント5:キッチンの作業動線が悪い
「広々としたL型のキッチンにしたが、作業動線が悪くて使いにくい」
L型キッチンは一般的には作業動線が短くて作業スペースも広いので、作業しやすいのがメリットといえます。
しかし基本的な使い方やキッチンのサイズ、冷蔵庫等の設置場所によっては作業中の移動距離が長くなって使いにくくなってしまうこともあるので、サイズや冷蔵庫、食器棚との位置関係なども十分に検討した上でレイアウトを決めることが大切です。
反対に、注文住宅づくりにおいて「満足した点」もうかがいました。次章から見ていきましょう。
注文住宅での満足ポイント1:玄関にクローゼットを設置した
「玄関にクローゼットを設置したところ、コートやベビーカーなどを収納することができて便利だった」
玄関にクローゼットを設置すると外出時に必要になるさまざまなアイテムを収納することができるます。
モノで雑然としがちな玄関を、常にスッキリとした状態に保つことができるようになるでしょう。
ただし、あらかじめ収納する予定のモノを決めておくことが大切です。
注文住宅での満足ポイント2:キッチンにパントリーを設置した
「キッチンにパントリーを設置したところ、エプロンや献立表なども収納できるので良かった」
キッチンにパントリーを設置するメリットは、食品や日用品、非常用の備蓄などのストックができることです。
それらをまとめて保管することで、在庫の管理がしやすくなるでしょう。
まとめ買いや買い置きが多い家庭では非常に重宝されます。
その他、来客があっても「エプロンや献立表」などをひと目につきにくい場所に収納しておくことができます。
注文住宅での満足ポイント3:リビングを広めにした
「リビングを広めにしたら、家族がゆったりと過ごすことができるようになったので、団欒を楽しめるようになった」
リビングが広いと開放感が高くてゲストを招きやすくなるばかりでなく、家族も集まりやすくなります。
これにより、コミュニケーションが増えるメリットがあるでしょう。
また、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるようになります。
一方で、冷暖房費がかさむというデメリットを押さえておく必要があります。
注文住宅での満足ポイント4:収納をたくさん作った
「収納をたくさん作ったら、部屋の中に物を置かずに済むようになって、スッキリとした部屋づくりができて良かった」
一戸建て住宅の収納率(床面積に占める収納面積の比率)の目安は10~15%程度といわれています。
収納スペースに余裕があるほど、家の中が散らからずに広々と快適に過ごすことができるようになります。
しかし、収納スペースが多いことでモノが増えてしまったり、家族の居住スペースが狭くなってしまったりすることがあるので、居住スペースとのバランスが非常に重要になります。
注文住宅での満足ポイント5:和室を設けた
「和室を設けたら子供たちが畳を気に入ってくれて、畳の香りでリラックスすることができ、急な来客時の宿泊にも対応できるようになった」
和室は子供部屋や寝室、来客用の宿泊部屋など、家族構成やライフスタイルに合わせて幅広い使い方ができるのがメリットといえます。
また畳の「い草」にはリラックス効果があり、調湿効果もあるので、近年見直されるようになってきています。
注文住宅「住み始めてから後悔」しないために
注文住宅は、「一度で100%満足のいく家を建てるのは難しい」といわれるように、ほとんどの方には何らかの後悔したポイントはあるものです。
住み始めてから後悔しないようにするためには、他の方の事例を参考にすることが非常に大切です。
本記事を皆様のマイホームづくりに役立てていただけたら幸いです。
参考資料
- 株式会社リクルート「2023年 注文住宅動向・トレンド調査」