「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦

 ダニエル・リカルド(RB)は、ランス・ストロール(アストンマーティン)がF1第5戦中国GPでの衝突の責任を認めないことに「激怒した」と述べている。

 12番グリッドから中国GPの決勝レースをスタートしたリカルドは、第2スティントでトップ10に食い込んだ。24周目にバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)のマシンを安全に撤去するためセーフティカーが導入され、3周後にリスタートを迎えたが、その直前に5番手を走行していたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がヘアピンへの進入時にロックアップし、彼のドライビングによりマシンの隊列は減速して固まった。

 ストロールも突然の減速に巻き込まれたが、リカルドのマシン後部に衝突して車体を持ち上げてしまい、最終的に両方のマシンにどうしようもないダメージを与えることになった。ストロールはすぐにリカルドを非難し、リカルドが彼の前で突然ブレーキをかけたと訴えた。しかし、スチュワードはこれに同意することはなく、ストロールに10秒のタイムペナルティを科し、スーパーライセンスにペナルティポイントを2点追加した。

 インシデントが起きたとき9番手だったリカルドは、この追突によりRBで今季初ポイントを獲得するチャンスを奪われ、ストロールが結果に対して責任感をまったく持ち合わせていないことに特に強い怒りを覚えた。

「1時間後に彼がそれを見たら、彼は何らかの説明責任を果たすかもしれない。でも彼がそうしないのなら、僕は彼を助けることはできないし、ここにいる誰も助けることはできないだろう」とリカルドは語った。

「本当に苛立たしいことだ。もちろん、レーシングインシデントは起こるものだが、セーフティカー先導中にこのようなことは決して起こるべきではない」

「僕が激怒したのは、彼のオンボード映像を見たからだ。彼の視点からそれを見るためにね。僕たちがブレーキングを始めた途端、彼のヘルメットが右を向き、ターン14のエイペックスを見ているのが分かった。彼は僕のことを見てさえいなかった。そして彼が視線を戻すと、彼は僕の後ろにいた」

「彼が何をしているのか、彼の頭がどこを向いているのか分からないが、彼がしなければならないのは、あの状況にいる僕のことを心配することだけだ。そして彼は明らかにそうしていなかった。彼がメディアに何を話すか見てみよう。でも彼が僕を追及するなら、僕はもっと話をするよ」

 リカルドはまた、追突後のストロールの瞬間的な反応についても感心しなかった。ストロールはリカルドが早めにブレーキングしたとして、彼のことを「ばか」と呼んだのだ。

「僕は少しずつ落ち着いてきた。そしてその後に、ランスがインシデントについてどう思っているのか聞かされた。どうやら僕はばかで、あれは僕のせいだったようだ。それで僕は激怒したよ。なぜならあれは一目瞭然のことで、セーフティカーの後ろで起きたことでもあったからだ」

「やるべきことは、前のクルマを見ることだけだ。リーダーが何をするのか、予測はできない。レースはコントロールラインに来るまで始まらない」

「言いたいことを言わないようにベストを尽くしているけれど、あいつはクソ野郎だ。それに、僕はいい人間でもあるよ! でもあれが彼の考えなら……」

2024年F1第5戦中国GP ランス・ストロール(アストンマーティン)にヒットされたダニエル・リカルド(RB)

 その後、ストロールはこのインシデントに対する彼の考えを見直し、「あれは彼ではなかったと思う」と語った。

「みんなが急ブレーキをかけて、彼は僕の前にいた。だから、彼が急ブレーキをかけたとは思わない。それはコンサーティーナ効果だった」

「リカルドにぶつかってしまった結果、ペナルティを受けたが、すべてが正常だったわけではなかった。僕は彼の背後に衝突しただけだ」

「本当に奇妙なコンサーティーナ効果が起こったので、僕としてはスチュワードにもう少し考慮してほしかった」

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