広島カープ 週末の巨人3連戦「負け」なし 金…12回ドロー 土…森下暢仁 初勝利 日…雨も味方

広島カープは、週末、マツダスタジアムに巨人を迎えて3連戦でした。

4月19日(金)広島 vs. 巨人(マツダスタジアム)

カープの先発は、九里亜蓮 。前回、9失点の登板からフォームを見直すなどし、立ち上がりから持ち味全開です。3回までは低めの変化球がことごとく功を奏し、ジャイアンツ打線をノーヒットに抑えます。

打線は、ジャイアンツの 戸郷翔征 を積極的に攻めます。1回、2アウトから 野間峻祥 がスリーベースでチャンスを作ります。しかし、堂林翔太 はあえなく三振。

0対0のまま迎えた8回、カープは代打・二俣翔一 がプロ初ヒット。育成出身の苦労人の出塁で球場のムードは変わります。その後、2アウト・3塁・2塁となりますが、この日、2安打の野間が倒れ、先制点を奪えません。

それでも、投手陣が踏ん張ります。9回は 栗林良吏 。フォーク、フォーク、フォーク。三者連続三振のナイスピッチングを見せます。

延長12回ウラ、カープは 坂倉将吾 が2アウトからヒットで出塁。ここで 新井貴浩 監督は、代走に 羽月隆太郎 、代打に 松山竜平 と全ての手を打ちます。しかし、ランナーの羽月が飛び出しゲームセット。積極的に攻めながらも0対0の引き分けです。

4月20日(土)広島 vs. 巨人(マツダスタジアム)

巨人相手にまだ白星に恵まれていないカープ。3万1000人を超える観客が見守るなか、前日の試合とは打って変わって、この日は初回から試合が動き始めます。

1回ウラ、菊池涼介 がヒットで出塁すると、4番・堂林。“つなぐ4番” が2球目をレフト前へ。ここからカープの猛攻が始まります。

堂林に続くのは、前日の試合で2安打をマークした 小園海斗 。詰まった当たりが、今季、初先発を任された巨人・井上温大 のグラブを弾き、満塁のチャンスに。

打席に立つのは、上本崇司 。打球は、またもピッチャー・井上のグラブを弾きます。本人も「必死で食らいついていきました」と語る激走で1点を先制します。

なおも続く満塁のチャンスで “頼れるベテラン”・會澤翼 。あと少しでホームラン…、大きな弧を描いた打球はフェンス直撃。これでカープは4連打。會澤の走者一掃・タイムリーツーベースで3点を追加します。

カープ先発の 森下暢仁 は、今シーズン、マツダスタジアム初登板。4点リードという大きな援護を受けて迎えた2回。先頭バッター・長野久義 を空振り三振に抑えると、続く 大城卓三 も空振り三振に。きっちり三者凡退に打ち取る好投ぶりで、巨人打線の追い上げを許しません。

投打がかみ合ったカープはこの日、守備でもファインプレーを連発。3回、2アウト・1塁の場面。坂本勇人 のライト前ヒットで オコエ瑠偉 が3塁への進塁を狙うも、野間のレーザービームが発動し、アウトに。固い守りでジャイアンツに流れを渡しません。

4回には、久保修 。勢いよく 丸佳浩 の打球めがけ、前のめりに走り込み、ダイビングキャッチで執念のアウト。気迫あふれるプレーで満員のファンを沸かせます。

6回には、守備で活躍した野間が、今度はバットで見せます。野間は今季のマツダスタジアムのすべての試合でヒットを記録。ツーベースヒットで得点圏に進みます。

するとプロ15年目の堂林が、相手の意表を突くセーフティーバントでノーアウト・3塁・1塁に。頼もしいベテラン達が切り開いたチャンスに続くのは、23歳・小園。内野ゴロの間に野間がホームイン。さらに1点を追加します。

その後、カープは2点を返されますが、5対2で迎えた7回ウラ。代打で登場したのは、「なんとかことし、結果を残したい」―、去年、1軍出場がゼロだった 宇草孔基 。「力まずに自分のスイングで打つことができた」という打球は、勢いそのままにカープファンの元へ。

新井監督も「去年の宇草とことしの宇草は違う!」と評価する一発は、2022年6月以来、およそ2年ぶりのうれしいホームラン。

これがダメ押しとなり、6対2で試合は終了。カープは、巨人を相手に今季初勝利を奪いました。

4月21日(日)広島 vs. 巨人(マツダスタジアム)

巨人の先発・高橋礼 攻略に向け、今シーズン初めて1番で宇草を起用。1週間前に2安打に抑えられた右のアンダースローから、前日のヒーローが追い込まれながらセンターへ弾き返します。

2アウト後、堂林に代わり今季初めてファーストでのスタメンとなった4番・坂倉将吾 でしたが、センターフライに終わり、先制とはなりません。

カープの先発は、10日ぶりの登板の 大瀬良大地 。0対0の4回、満塁のピンチを背負いますが、吉川尚輝 をレフトフライに。5回までスコアボードにゼロを並べます。

しかし、雨が強くなってきた6回、連打でノーアウト・3塁・1塁のピンチを招くと 小林誠司 にセンターへの犠牲フライを打たれ、巨人に先制を許します。ここでマウンドを降りることになった大瀬良…。

ただ、直後に雨脚がさらに強まり、ゲームは中断。そして、30分後、ウラのカープの攻撃が残った状況だったため、6回表の巨人の得点は取り消され、記録は5回コールド。0対0の引き分けに終わりました。

◇ ◇ ◇

青山高治 キャスター
この春からRCC野球解説者の 天谷宗一郎 さんに金土日のカープの試合をたっぷり振り返ってもらおうと思ったところ、2週連続の3連敗でした。社内では「宝の持ち腐れ」ならぬ「天谷の持ち腐れ」と…(笑)

田村友里 キャスター
よかったです。きょうはたっぷり活躍してもらえます。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
監督も言っていましたが、やっぱり「勝率」です。

青山高治 キャスター
振り返れば先週は3勝2分け。1週間としては負けがなかった。

天谷宗一郎 さん
まず、ピッチャー陣が自分たちの仕事をしてくれた。これが非常に大きかったんじゃないかなと思います。

青山高治 キャスター
きょうは、“天谷さんが仕事をしてくれている感” がすごいです。

田村友里 キャスター
しっかりとコメントが聞けてうれしいです。

天谷宗一郎 さん
きのうの試合でも大瀬良投手は「状態はあまりよくなかった」ってコメントしていましたけれども、粘り、その粘りの中でも考えながら、頭が疲れるんじゃないかなっていうぐらい粘り強く投げてくれていたなっていうふうに思いました。

青山高治 キャスター
それぐらい、神経を使いながら…

天谷宗一郎 さん
1球1球。首をかしげるシーンもよくありましたし、タフなグラウンド、マウンド状況だったと思うんですけれども、そこでもしっかりとまず5回はゼロで抑えてくれたところに大瀬良投手の気持ちが伝わってきたのかなって思います。

青山高治 キャスター
週末の巨人戦でしたけど、ファンが沸くようなプレーが本当に多かったです。

天谷宗一郎 さん
本当にそうです。久保選手のプレー。打つ方では初ヒット、ちょっとまだ本人の力を発揮できてないのかなっていうところはありましたけれども、守備の中ではしっかりと自分ができることはしてくれているなっていうふうに思います。

田村友里 キャスター
野間選手の3塁へのレーザービームもすごかったです。

天谷宗一郎 さん
すごかった。あそこだって、ちょっとでもそれていたら次は4番の岡本選。岡本選手は状態がめちゃくちゃいいんです。あそこでつながれたら大量失点になっている可能性も十分にあったところだったので、本当にチームを救う、ピッチャーを救うビッグプレーだったと思います。

青山高治 キャスター
マツダスタジアムの試合では野間選手は全部ヒット打っていると。

田村友里 キャスター
なんか長打のイメージもありますね。

天谷宗一郎 さん
今シーズン、野間選手は「長打を打ちたい」といったところでしっかりと結果として出ているので、オフからの取り組みが非常によかったんじゃないかなと思います。

青山高治 キャスター
今シーズン、野間選手のホームランが見たいです。

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