「熱海のような土石流がおきたら…」安佐南区の「盛り土」問題で住民説明会 県は半年間、調査継続へ

広島市安佐南区で不安定な盛り土の上に、産業廃棄物処理場が拡張されていた問題で、県は21日、盛り土の安全性を調べる調査をさらに半年間、継続する方針を明らかにしました。

広島市安佐南区上安町の盛り土を巡っては、3年前に起きた静岡県熱海市の土石流災害後の緊急調査で、県が、のり面の一部が崩れていることを確認し、不適切な盛り土として公表していました。
しかし、開発者が不明で、いつ、何を埋めたのか、わかっていません。

その後、産廃処分場の許認可権を持つ広島市が2016年と2020年に処分場の拡張申請を認可し、盛り土の上に処分場の一部が重なる形となっています。

【若木記者】
「このあたり、不安定な盛り土ということできょうから調査が始まりました。こちらを見ると高さ100メートル以上にわたり、のり面が崩れています」

県は、崩落防止のための工事が必要かどうかを調べるために去年9月に現地調査を開始。
直径10センチほどの穴を垂直に最大39メートル掘り下げるボーリング調査を5か所で実施してきました。
その調査結果が21日、地元の住民に報告されました。

県は盛り土の安全性の数値は国の基準を満たしていると説明。
しかし、安全性の評価には地下水の水位や排水ができているかなどが欠かせませんが、調査期間の降水量が非常に少なかったため、県はさらに半年間、調査の継続が必要と判断しました。
梅雨や台風シーズンの地下水の水位などを調べたうえで、最終的に対策工事が必要かどうかを判断したいと説明しました。

【住民】
「地震が来た後の大雨でどうなるか、そういう観点での分析はしてるんですか?」
「熱海のような事故があった時にどこが責任を取るんですか?」

住民からは現状を不安視する声が相次ぎました。

【県森林保全課・白石勝也治山担当監】
「データを収集しながら有識者からしっかり意見聞きながら、しっかり判断させていただいて、その内容は市に引き継いでいきたい」

<記者の目>
半年間、調査継続ということですが、安全性に問題があるという判断がでた場合にどうなるのか。
取材した若木記者によりますと、排水設備を整備する必要性が出た場合、対策は広島市が土地所有者に指導することになりますが、今回の上安の盛り土は所有者がわかっておらず、市は所有者を探すとしてますが難航するのは必至です。
この場合、住民の安心安全が最優先ですので、税金を投入する可能性もゼロではないということです。

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