「熱中症“特別”警戒アラート」24日から運用 “広範囲の”危険な暑さに1段階強く呼びかけ 冷房のある公共施設を「クーリングシェルター」に 福岡

24日に運用が始まる「熱中症特別警戒アラート」は、気温や湿度が上がり熱中症による重大な健康被害が想定される場合に、環境省などが発表するものです。運用開始を前に福岡県太宰府市で22日、対応が話し合われました。

太宰府市の会議には、市長をはじめ防災担当者など20人が参加しました。

「熱中症特別警戒アラート」とは、各都道府県の観測地点で気温や湿度などをもとに算出した翌日の「暑さ指数」の予測値が35以上になると、環境省と気象庁が発表するものです。

これまでは予測値が33以上で「熱中症警戒アラート」が出されていましたが、「特別警戒アラート」はこれよりも1段階強い呼びかけになります。

これまでの「熱中症警戒アラート」では、屋外でのイベントや体育の授業の自粛、水分や塩分の摂取が自治体のホームページで呼びかけられていました。

「特別警戒アラート」が出されると、これらに加えて、冷房や広さのある公共施設が「クーリングシェルター」として市民に開放されます。

太宰府市は市役所や図書館、太宰府天満宮・参道近くの「太宰府館」など17の公共施設をクーリングシェルターに指定しました。

観光客への周知も課題です。

■太宰府市・楠田大蔵 市長

「太宰府市の観光案内所の真上に掲示板を作っていく予定なので、多言語で熱中症情報や様々な災害対策情報も防災を徹底的に強化して(対策を)進めていきたい。」

22日の会議では、熱中症特別警戒アラートが発表されたときの連絡体制や、市民、観光客への周知の仕方を確認しました。

この暑さ対策については、19日にスポーツ界でも動きがありました。

甲子園大会を主催する日本高等学校野球連盟は、ことし夏の全国高校野球選手権大会で、大会初日から3日間限定で、午前と夕方に試合を分ける「2部制」を導入することを決めました。

熱中症対策として、気温の上がる昼間の時間帯を避けるというものです。

そのほかにも、甲子園では暑さ対策として、準決勝や決勝の開始時間の繰り上げや、去年からは5回終了時に10分間の休憩を挟むクーリングタイムが導入されています。

さらにことしから、第1試合の出場校には捕食が提供されることになりました。

早朝の起床で朝食が十分取れず熱中症を発症するケースがあるという専門家からの助言を受けたものです。

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