「髪のセットが潰れる」自転車ヘルメット着用率…北海道は都道府県別39位 努力義務化から1年

自転車の利用者にもヘルメット着用が努力義務化されてから今月で1年が経ちました。

しかし、北海道内の着用率は全国でも低い水準にとどまっています。

自転車利用者を取材しました。

通勤時間帯の札幌中心部。

自転車に乗る人が多く見られますがー

(長岡記者)「先ほどから見ていますが、ヘルメットをかぶった人はほとんど見られません」

取材した50分間で、ヘルメットを着用していた人は全体の1割ほどでした。

自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されてから今月で1年となりますが、去年7月時点での全国の着用率は13.5%。

一方、道内の着用率は6.4%で、都道府県別では39位と低い水準にとどまっています。

(ヘルメット未着用の男性)「遠くに行くときに着用する感じですね。普段使いではしないですね。持ち運びですかね。置いておくと取られちゃうかもしれない」

(ヘルメット未着用の男性)「髪をセットするときはヘルメットで潰れるので」

(ヘルメット着用の男性)「いいスピードで長い距離を走ることがあるので、安全のためにかぶっています。車道を走るので転んだ時にケガをしたら相手にも迷惑がかかるので」

道内では過去5年間に自転車の事故で45人が死亡しています。

そのうち半数近い21人が頭部の外傷が原因で死亡。

全員ヘルメットを着用していませんでした。

(道警 交通部交通企画課 大口純一さん)「過去5年間に全国で自転車利用中の交通事故により亡くなった方の53.9%は、頭部のケガが致命傷となっているので、頭を守ることは命を守るために非常に大切な対策」

命を守るために大切なヘルメットですが、札幌市内の自転車販売店ではー

(サイクル小野サッポロ 安藤玲爾マルセロさん)「去年は棚がスカスカになるぐらい、ほとんどのものが売れていましたね。去年の努力義務の開始当時よりはかなり落ち着いてきています」

去年と比べると、ヘルメットの売れ行きは伸び悩んでいるといいます。

(店員)「ずれてくる感じはないですか?であればピッタリです」

そのなかでも売れ行きが好調なのが、安全性と軽さを兼ね備えたスポーツタイプのヘルメットです。

価格は1万円前後のものが多く、高齢者や子どもにも人気だといいます。

一方、観光客にはこんなサービスも。

(長岡記者)「ポロクルをレンタルする観光客は、希望すればヘルメットを無料で貸し出してもらえます」

札幌中心部で展開しているシェアサイクルの「ポロクル」が始めたのは、観光客が利用できるヘルメットの貸し出しサービスです。

観光案内所やホテルなど、市内4か所の貸し出し窓口で無料で借りることができます。

(ポロクル 熊谷美香子事務局長)「旅行者の方がヘルメットを持って観光するのはなかなか現実的ではないと思いますので、貸し出せるポイントがあれば安全に利用してもらうことができると考えています」

伸び悩む道内のヘルメット着用率。

万が一の転倒時に命を守るためにも、自分に合ったものを普段から身に着けることが大切です。

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