人間とAIの間に「愛」は成立する?SFの一大テーマに挑んだドラマの結末は…

台湾ドラマ「AntiReset(アンチリセット)」は、怪我をした大学教授・褚一平(チュー・イーピン / ウー・ピンチェン演)のもとに、叔父の衛恒(ウェイ・ホン / チョウ・ヨンシュエン演)がお世話係を送り込んだことから物語が始まります。住み込みでお世話だなんて完全にカップル成立フラグですよね?しかし送られてきたのは、なんと人工知能(AI)ロボット・恒9(ホンジウ / ホアン・リーフォン演)。叔父の会社で研究開発中の最新ロボットでした。

しかも恒9は感情面の演算能力が強化されており、人の気持ちに寄り添ったケアが可能。その上、自ら疑問や課題を設定し学習していきます。 こうして恒9は褚一平との生活を通じて「愛」を知り、また褚一平も素直な恒9に次第に心を溶かされていくのですが、二人には人間と機械という大きな障壁があって…

「AntiReset」は“冷淡な教授×好奇心旺盛なAIロボット”というSF要素たっぷりなBLなんです。

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うまく暮らしていた二人ですが、物語の後半には恒9が褚一平への大きすぎる感情を処理しきれなくなり故障…からの回収、リセットの危機に!恒9はリセットされると褚一平と重ねた記憶を全て失って初期状態に戻ってしまうのです。年を取ることがないAIも永遠の存在じゃなかった、タイトル「AntiReset」の意味はそういうことだったんですね。

さらに「機械」と恋愛しようとする褚一平を心配した叔父の衛恒が恒9を褚一平のもとに戻すことに反対し、物語前半のピュアで優しい恋模様から一転、「褚一平は人間で恒9はあくまでロボット」という厳しい現実が突きつけられます。

人間と機械の間に立ちはだかる大きな障壁。人間とAIの間に愛は成立するのでしょうか。そもそも愛ってなに?彼らのハッピーエンドは一体どこにある?SFの永遠のテーマでもある「人間とロボットの愛」、本作の決着点をぜひお見逃しなく!


Text:沢井メグ(ライター/中国語翻訳者)

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