3月に定年退職したのに「納税通知書」が届いた…!何かの間違いでしょうか?

市民税・県民税とは?

市民税や県民税を合わせたものを「個人住民税」と呼びます。

個人住民税は、その地域に住む個人に課される地方税のことです。

地域住民の生活を保障するために、地域は公共施設、上下水道、ごみ処理、学校教育といった行政サービスを提供していますが、その運営などに充てる費用を地域住民が分担していると考えるとよいでしょう。

個人住民税を納めなければならないのは、その年の1月1日時点で市町村(都道府県)に住所がある方です。

ただし、低所得者層など一定の事由に該当する方は課税対象から外れることがあります。

個人住民税の納税方法は2種類ある

個人住民税の納税方法には「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があります。

普通徴収とは、市町村から納税義務者のもとへ納税通知書が送られてきて、納税義務者が銀行やコンビニ・スマホ決済などを利用して納税する方法です。

一方の特別徴収は、会社などの特別徴収義務者が納税義務者から税金を徴収し、代わりに納める方法のことをいいます。

会社が従業員の個人住民税を給与から天引きして市町村に納めるのは、特別徴収による方法です。

定年退職後に納税通知書が届くのはなぜ?

個人住民税は、前年の所得に対して課税されるものです。

会社に勤めている間は当年6月から翌年5月までの1年間にわたって、前年の税額を12回に分割した額が毎月の給与から引かれます。

よって、定年退職後に納税通知書が届くことがあるのは、前年の税額を支払う必要があるためです。

年間で支払う総額は変わりませんが、退職するタイミングによって支払い方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。

今回の事例のように3月に定年退職された場合だと、通常は会社が5月までの個人住民税を一括徴収(特別徴収)します。

しかし最後の給与で天引きできない場合などは、自宅に納税通知書が送られてくるため、ご自身で納付する必要があります。

定年退職後に納税通知書が届いたら忘れずに納めよう

個人住民税は前年の所得に対して課されるものなので、定年退職後に納税通知書が届いて納付しなければならない場合もあります。

「定年退職していて収入がないのに税金を納めなければならないのか?」と疑問に思うかもしれませんが、前年分を納税する仕組みになっていることを理解し覚えておきましょう。

納税通知書が届いたら、期限までに忘れずに納付してください。

出典

総務省 個人住民税
金融広報中央委員会 知るぽると 税金の手続き 退職後の住民税

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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