連休の春山安全に 警察の山岳警備隊が合同訓練

とちぎテレビ

今週末から春の大型連休が始まります。本格的な登山シーズンを迎え連休中も多くの人が山に入るとみられることから、万が一の事故に的確に対応できるよう警察の山岳警備隊は22日、宇都宮市内の山で合同訓練を行いました。

宇都宮市の古賀志山で訓練を行ったのは今月発足したばかりの県警山岳警備隊と管内に山がある県内9つの警察署の山岳警備隊の隊員合わせて26人です。県警と各警察署の山岳警備隊による合同訓練は今回が初めてで、鎖やロープのある急な岩場などを登って行きました。

隊員の中にはこの春初めて山岳警備隊に配属された人もいることから地図の見方や歩くペースなど山での基本的な知識から、それぞれの連携も確認しました。

登山道では遭難した人を背負って救助する訓練も行われました。実際の現場でも安全に救助できるように背負う人は疲れる前に交代するのが重要で、本番さながらの対応を見せていました。

県警察本部地域課が先週発表した山岳遭難の状況ですが、去年1年間に県内で発生したのは72件でした。遭難者の数は82人で、このうち10人が亡くなっています。過去5年間の特徴ですが、年代別では 65歳以上が最も多くおよそ45%を占めています。登山歴では20年以上が23%と最も多く次いで1年から5年未満が19%、1年未満が15%となっています。遭難したケースでは道迷いが28%と最も多く滑落が24%、転倒が22%となっています。

山での事故が増加傾向にある中、発足したばかりの県警山岳警備隊が今月、救助活動に当たった山岳遭難事故はすでに3件です。今週末から始まる春の大型連休では多くの登山者が見込まれることから注意を呼びかけています。

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