身長196センチの西武ドラ6「レオのガリバー」成長中 イースタン初安打含む4安打

イースタン・楽天戦で4安打を放った西武・村田

◆イースタンリーグ・西武2―5楽天(22日、カーミニークフィールド)

西武のドラフト6位ルーキー、村田怜音内野手(22)=皇学館大=がイースタンでの初安打を含む4打数4安打1打点と大暴れし、成長ぶりを示した。

これまで代打で通算2打数無安打だった村田は若手中心のメンバーで臨んだこの日、8番一塁で初めてスタメン入り。3回の第1打席で初安打となる左前打を放つと、5回にも右前打で出塁した。4点を追う7回には1死一塁から楽天先発松井の外角直球に逆らわずにミートし、右越えの適時二塁打で初打点もマーク。9回にも中前打を打ち、全方向へ快音を響かせた。「最低でも1本なんとか打ちたいという気持ちでいたら、結果的に4本打っちゃった」と驚き交じりの笑顔を輝かせた。

196センチ、110キロの大柄な体格と大学通算25本塁打の長打力から「伊勢のラオウ」や「レオのガリバー」など規格外を思わせる異名が次々と付けられてきた。ただ、地力と経験が足りず、春季キャンプはB班(2軍)スタート。キャンプ後は3軍行きを告げられた。

「(打撃で)踏み出したときにバットのヘッドが後ろ側にいき、遠回りする癖があった。3軍行きが決まってから青木(智史)コーチに見てもらい、直そうとしてきた」。参考にしたのが、通算305本塁打の中田翔(現巨人)。日本ハム時代、特に逆方向への本塁打を打っている映像を見てフォームや足の運び方などをヒントにした。

3月末に始まった3軍戦では4月20日のBC神奈川戦で本塁打を放つなど全9試合で安打をマーク。打率3割8分5厘、9打点と好成績をマーク。22日当日の朝に出場を告げられた今回のチャンスもものにした。大島裕行ファーム打撃コーチは「調子が良い状態で2軍戦に臨み、最初の1本で気持ちもほっとしたところがあったと思う。力が伝わりやすい体の使い方に取り組み、ステップアップしてきている」と成長を認める。村田もこの日の右越え二塁打に「感触としては良い形だった」と手応えをつかんでいた。

23日から新潟市で行われるイースタン・オイシックス戦のメンバーに村田の名前はなく、再び3軍で実戦を積む見通しだ。24日にはカーミニークフィールドで鷺宮製作所との練習試合が組まれている。イースタン初安打と初打点のボールをそれぞれ記念にもらった未来の大砲候補は「次は早く(イースタンで)ホームランを打てるように。少しずつ頑張ります」と決意。「育成の西武」を掲げるチームの成功例となるべく、日課にしている夜のマシン打撃も続けるつもりだ。(末継智章)

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