小池百合子都知事周辺で風雲急! 「カイロ大卒」問題再燃でどうなる……?

今週の注目記事・第1位「小池百合子元側近小島敏郎が激白『公選法違反で刑事告発します』(週刊文春4/25日号)「『小池百合子都知事』の化けの皮が剥がれる日」(『週刊新潮』4/25日号)
同・第2位「日本最大のドラッグストア『ウエルシア』社長が『取引先』中国人女性と『危険な情事』」(『週刊新潮』4/25日号)
同・第3位「嵐新会社社長を直撃 20億円利権巡る『あざとすぎる匂わせ』」(『週刊文春』4/25日号)
同・第4位「『山崎製パン』社員は見た!『ダマでの買取り』『中抜き』『送り込み』の実態とは」(『週刊新潮』4/25日号)
同・第5位「いなば食品は食品衛生法違反!」(『週刊文春』4/25日号)
同・第6位「レイプ被害 白い錠剤 尻タッチetc.元女優・若林志穂は今なぜ告発したのか」(『FLASH』4/30日号)
同・第7位「口裏合わせ懇願で『大谷翔平』を道連れにしようとした『水原一平』の『病理』」(『週刊新潮』4/25日号)
同・第8位「6月『裏ガネ総選挙』そして自民党崩壊へ」(『週刊現代』4/27・5/4日号)
同・第9位「ソフトバンク社長宮川潤一が明かす“孫正義の本音、韓国側の抵抗”」(『週刊文春』4/25日号)
同・第10位「パートナーたちが明かす『曙太郎』の豪快伝説と病室で語った『最後の夢』」(『週刊新潮』4/25日号)

【巻末付録】現代とポスト、SEXYグラビアの勝者はどっちだ!

今週は、文藝春秋5月号が再び火をつけた小池百合子都知事のカイロ大学卒業疑惑が話題だ。

以前、二期目を目指す小池百合子都知事が大ピンチを迎えたことがあった。

2000年5月下旬にノンフィクション作家の石井妙子が『女帝 小池百合子』(文藝春秋)を上梓し、その中で小池のかつてのカイロ時代の同居人が、小池のカイロ大学主席卒業は作り話だと告発したのである。

これが大反響を呼び、都議会でも自民党や共産党が「小池百合子都知事のカイロ大学卒業証書・卒業証明書の提出に関する決議案」を提出し、大騒ぎになった。

だが、駐日エジプト大使館が突然、フェイスブック上でカイロ大学長名の声明を英語と日本語で公表したのである。

そこには、

「カイロ大学は、1952年生まれのコイケユリコ氏が、1976年10月にカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明する。卒業証書はカイロ大学の正式な手続きにより発行された」

とあり、日本のジャーナリストがたびたびこれについて疑義を呈し、信ぴょう性に疑問を抱いているが、これはカイロ大学および、カイロ大学卒業生への名誉棄損であると警告。これが続くようならエジプトの法令に則り適切な対抗手段を講じるとしたのだ。

公式なHPでの発信ではなく、SNSでの発信、しかも日本語と英語だけで、アラビア語は載っていないというやや不可思議なものだったが、事態を鎮静する効果は絶大だった。

結局、都知事選に自民党は対抗馬を立てず、366万票という得票を得て小池は圧勝したのである。

この問題はこれで決着がついたと思われていた。

だが、三選を目指すだけではなく、あわよくば衆院選に出て当選して自民党総裁選に出馬するのではないかと囁かれている今、小池百合子の元側近で、都民ファーストの会の元事務総長だった小島敏郎が、「私は、学歴詐称工作に加担してしまった」と告白。

もし次の都知事選に出馬するのなら、学歴詐称の公選法違反で刑事告発すると語ったのである。

小池と親しいといわれる二階俊博元幹事長が引退を表明したこのタイミングで、こうした告発が出るというのは、何か仕組まれているような気もしないではないが、どちらにしても、小池百合子都知事は、この問題を避けて通るわけにはいくまい。

これについては、後で詳しく触れたい。

第64代横綱・曙太郎が亡くなった。まだ54歳という若さだった。

ハワイ出身の元関脇・高見山こと元東関親方にスカウトされて来日し、身長203センチの恵まれた体躯を活かして、序の口から歴代1位となる18場所連続勝ち越しという記録をつくった。

その頃は、貴乃花、若乃花という兄弟の人気がもの凄かったが、その前に立ちはだかった曙も存在感を示し、1993年1月場所後に横綱に推挙され、横綱になった。

見た目とは違って、素顔はやさしく皆から慕われていたという。

だが糖尿病を患いインスリン注射を打っていたのに、ジンロの瓶を27本空けて上機嫌になり、20人くらいいたホステスたちに1万円ずつ配ったこともあったそうだ。

引退し、日本国籍も取得していたのに、相撲界を離れて、プロレス界に転身した。

2001年大晦日、K-1のリングでボブ・サップと対戦。失神KO負けを喫したが、視聴率43%(ビデオリサーチ調べ)というもの凄い数字を叩き出したのである。

だが格闘技では4戦全敗。大きすぎる上半身を下半身が支えられず、立っているのもやっとだったから仕方あるまい。

結婚して3人の子供をもうけたという。長い入院生活だったが、巨大なおむつを穿きながら、「またK-1のリングに上がりたい」といっていたそうだ。

記録よりも記憶に残る力士だった。冥福を祈りたい。

文春は連載でYahoo!とLINEの統合の危うさについて報じているが、私はこの分野について詳しくないからだろう、もう一つピンと来ない。

たしかに、LY(LINEとYahoo!)というのは、日本国内で最大のシェアを持つプラットフォームであることは間違いない。

文春が初めから問題にしているのは、LINEの大規模情報流出があったことから、LINEが中国の会社を下請けに使ったり、韓国のNAVERが強い影響力を持つ現在の状況では、日本の個人情報などが韓国や中国に流出しかねないという危惧がある。だから、Yahoo!の親会社であるソフトバンクの孫正義がNAVERから株を買い取り、グループ全体でセキュリティガバナンスを見直し、日本側主導のLYに早急にした方がいいといいたいのであろうと推測する。

私が読み間違っているのかもしれないが、LINEを日本での有力なコミュニケーションツールにした韓国企業としては、日本にはないものを独自に開発したのだから、そうやすやすと日本側に主導権を取らせたくないという思いもわかる。

先週も書いたが、アメリカ大手プラットフォーム企業にこの国の情報を全てからめとられている状態を放置してきたのに、今頃になって、アメリカはいいが韓国はイカンという理屈は通らないと思うのだが。

文春は結びで、

「韓国支配から脱却し、安心安全なシステムを実現できるのか、SBG及びSB、そして孫氏の決断は、私たちが日々利用するLINEやヤフーのサービスを大きく左右することになる」

Yahoo!はもともとアメリカ、LINEは韓国で生まれたもの。結局、日本独自のプラットフォームを作ることができなかったこの国のツケが回ってきたので、一企業にその責任を負わせるのは酷だと思うのだが。読者諸兄、いかがだろうか。

現代が選挙予測をやっている。

6月解散を想定しているが、岸田首相にとっては、ここしか選択肢はないだろう。さもなくば9月の総裁選への出馬が不可能になるからだ。

支持率20%ぎりぎり。追い込まれた岸田首相のやぶれかぶれ選挙はどうなるのか。

現代によれば、政治ジャーナリストの角谷浩一と青山和弘に当落予想を依頼したという。

2人の予想はこうだ。自民党は角谷が192議席、青山が198議席。ともに60議席ぐらい議席を失うと見ている。

公明党は角谷が30議席、青山が22議席と、こちらはだいぶ開きがあるが、共に減らすということでは一致している。

では、立憲民主党はどうか。

角谷は157議席、青山は149議席と、共に50から60議席増になると読む。維新は、角谷が47議席とわずか6議席増と見るのに、青山は18議席増と大幅に増えると見ている。

この総選挙は、野党共闘、立憲民主党と共産党が選挙協力できるかどうかにかかっていると、私は考える。

小異を捨てて大同につくことができるか。大きな戦になることは間違いない。

さて、大谷翔平は今日(4月22日)の対メッツ戦で第5号2ランを放ち、日米通算176号となり、松井秀喜の記録を抜き去った。

水原一平が大谷の口座から盗んだ金額は、当初、450万ドルといわれていたが、それをはるかに上回る1600万ドル以上だと判明したという。

しかし、大谷の携帯電話に残っていた水原一平とのやり取り、9700件の中に、スポーツ賭博に関するやり取りはなかったと判明した。これで大谷は水原一平に加担したことはなく、全くの被害者だということが証明された。

罪状をすべて認めている水原一平だが、有能な弁護士をつけて「司法取引」をしていると報じられている。しかし、その場合でも禁錮51~63カ月か、それ以上で、さらに有罪判決が出た場合、海外退去処分になる可能性もあると、新潮で元連邦検察官でカリフォルニア州弁護士のジョン・カービーがいっている。

海外退去になれば日本に帰ってくるのか? もしそうだとしても、水原一平のこれからの人生は筆舌に尽くしがたい過酷なものになるはずだ。

バカな男が、バカなことをしでかした。同じギャンブル依存症の私と水原一平の違いは、大金を持っている人間がそばにいたかいなかったかだけである。水原一平を私は、一方的に責めることはできない。彼と私の差はほんのわずかであった。なんとなく哀しい事件である。

ジャニーズ事務所問題が未だに燻る中、元女優の若林志穂(52)がFLASHで、再び、大物ミューシャンから性被害を受けたことを告白している。

彼女は、1991年から始まった『天までとどけ』(TBS系)の長女役で一躍人気者になったという。

その後芸能界を引退。今年1月からXで性被害を告発し、複数のメディアが取り上げ話題になった。

だが、彼女が大物ミュージシャンXや芸能事務所の社長、Vシネマで人気だった俳優Yなど、多くの男たちから被害を受けたが、その多くは20年以上前の話。なぜそのような古い話を今? そうした声がネット上に多く見られるという。

今回FLASHの取材を受けたのはなぜなのか。若林はこう語っている。

「これからの芸能界には、二度と私のような被害者を出してほしくありません。かつての私のような、何も知らない若いコがきちんと守られる世界であってほしいと、切実に願います」

彼女が芸能界を引退したのは、多くの性被害を受けたために、複雑性PTSDを発症したからだったという。

今は生活保護を受給し、穏やかに暮らしているそうだ。彼女の魂の叫びを無駄にしてはいけない。

ところで、妻と離別したり亡くなったために再婚した社長が、その妻にいいようにされ、社員たちが迷惑を被っているという話はよく聞くが、この「いなば食品」もそうであると、文春が報じている。

先週号では、新入社員たち19名が、新生活を送るために案内された社宅が、あまりにもボロ家で呆れ果て、16人が入社を取りやめたと報じていた。

「いなば食品」は、売上高1350億円、従業員数4800人という大企業。社長の稲葉敦央(79)が大の大谷翔平ファンで、現在、ドジャースのスポンサーに名を連ねているという。

だがこの会社、同族経営で、数々の問題を抱えているようだが、その中でも一番の問題は、後妻に入った稲葉優子取締役会長だという。

あまりのボロ家に落胆して入社を諦めた女性は、待遇改善を人事担当に求めたところ、こういわれたそうだ。

「すべてを決めているのは優子会長。会長に逆らえばもっと酷い仕打ちがある」

現役社員のCがこうも話す。

「全社員の共通認識は『会長に関わるとロクなことにはならない』。なまじ気に入られて御側に侍る羽目になっても困るし、不興を買って閑職に追いやられるのもイヤです。いなば食品内の処世訓はただひとつ『女帝には好かれても、嫌われてもいけない』です」

亭主の社長は尻に敷かれっぱなしだという。

これが事実なら、この会社に未来はないな。

お次は、先週、山崎製パンの作業現場で数々の死亡事故などが起きていると報じた新潮が、今週は、パン業界のガリバーである山崎製パンのクレーム処理などについて報じている。

例えば、クレーム処理。変な味がするというクレームが、同じ生産工程の同じ商品で3件発生した場合、クレームが複数寄せられた当該商品がどの店舗に何個納品されているかを把握し、それを社員らが一般消費者を装って一軒一軒訪ねて人海戦術で、実質的に回収してしまう。

これを山崎の中では「ダマでの買い取り」と呼んでいるそうだ。

2021年には愛知県の総合小売業グループの店舗に対して、ある社員が先方の了承を得ない商品を無断で送り込んでいたことが発覚した。

ノルマ達成のために不正を働いたといわれているが、この件は発表されていない。

ガリバーの名を汚すこうした行為を社は知っているのか。山崎製パン危うし!

あの「嵐」が「株式会社嵐」をつくったそうだ。今年はデビュー25周年になるという。

ファンでなくとも、「嵐」がついに再結成かと思うに違いない。今年11月には東京ドームを「嵐」が予約しているとも報じられた。

だが文春は、これはファンクラブ維持のためで、実数はわからないが、50万人から100万人いるといわれる会員をつなぎ留めておくための“あこぎな商法”だと難じている。

第一、大野は宮古島に惚れこんでいて、島の周辺にリゾートホテルを作るべく活動中だという。大野は元々、芸能界から引退したいのに、他のメンバーから説得され、仕方なく活動休止ということになっているだけで、再結成に参加などしないだろうと見られているようだ。

松潤は、野田秀樹の舞台に出演するそうで、5月から11月まで拘束されるという。

要は、年間少なくても20億円は入ってくるファンクラブの会員向けのリップサービスに過ぎず、あざといというのである。

一人5億か。それじゃ解散するわけはないが、再結成も難しそうだ。ファンたちはこんな「嵐」に愛想をつかさないのだろうか。ファン心理は不可解である。

さて、日本最大のドラッグストア「ウエルシア」の松本忠久社長(65)が突然辞任した。

この2月に業界第2位と「ツルハ」との統合協議を開始したと発表したばかりである。

何が起きたのか? それは、新潮に「30歳ほども若い中国人女性と不倫関係にある」と報じられたからである。

「3月17日の日曜日。二人の姿は、都内湾岸部のゴルフ場にあった。8時半にスタートした男性2名、女性2名の4人組の中に、二人の顔が見える。グリーン上では、女性が時折松本社長と腕を組んだり、逆に社長が女性の肩に手を回したりする場面も。他のメンバーもそれを自然に受け入れているところから見ても、二人の交際は仲間内では“公認”のようだ。

15時前、ラウンドが終わると4人は同伴の男性がハンドルを握る車で池袋へ。本格派の中華料理店に入り、19時には同じ車で店を出た。そして都心に向かい、あるマンションの近くで社長と女性だけが降りて中へ入る。そのまま日付が変わるまで女性が出てくることはなかったが、このマンション、ウエルシアHD本社のすぐ近く。自宅が会社から遠方にある松本社長のため、ウエルシアが賃料の一部を負担していた“社宅”である」(デイリー新潮4月17日より)

彼女は首都圏にある健康食品の製造販売会社に勤務していて、そこの社は「ウエルシア」にも商品を収めている。

3月30日は、房総の海浜公園へ行った。

「その道中の様子はまるで付き合い始めのカップルのようで、女性は社長と腕を組んだり、後ろからハグをしたり、靴ひもを結んであげたり。(中略)農園を出たベンツは一路、犬吠埼へと向かい、展望台下のカフェへ。太平洋の大海原を一望する店で二人の“愛”は最高潮に達したのか、互いのケーキを『ア~ン』と食べあいっこするシーンも」(新潮)

このシーンがグラビアに載っている。私は、これを撮られたことが、松本社長をして、辞任を決断させたのではないかと思う。

実に恥ずかしい写真である。醜いというわけではない。60半ばの男が、絶対他人には見せられない表情の写真である。

これを見せられた松本社長はこういっている。

「すごいですね。何でだろうな。こんな風にならないように気をつけてはいたんだけど。嘘いってもしょうがないですね……」

松本社長は、彼女を本当に好きなんだろうと思う。その彼女の前でならできた表情を隠し撮りされ、世間に晒される。

こう決断するのもよくわかる。

「人間、慣れていくと甘くなってしまいますよね。善管注意義務違反ですね。身を退かざるを得ないと思います」

読んでいて、この松本社長っていいとこあるじゃないかと思ってしまった。辞めなくてもいいじゃん。これを教訓にして、社業に邁進する。そういう選択があったよかったんじゃないかな……。

今週の第1位は、小池百合子都知事の学歴詐称疑惑を報じた、文春と新潮に捧げる。

冒頭書いたとおり、発端は文藝春秋5月号で、小池百合子の側近だった小島敏郎が告発したことからである。

彼の経歴は、文藝春秋によるとこうである。東大法学部を出て1973年に環境省に入庁。次官級ポストに就いたのちに退官。大学教授や弁護士としても活躍。

2016年から都政に関わるようになり、築地市場移転問題を中心に政策を提案。小池百合子が都知事就任後に特別顧問になり、都民ファが誕生してからは同党の政務調査会理事長に就任して、小池の側近と呼ばれていたという。

冒頭で紹介したように、前回の都知事選直前に小池の学歴詐称疑惑が浮上し、「小池危うし」が高まっていた。

だが、なぜか突然、駐日エジプト大使館のフェイスブックに小池はカイロ大を卒業しているという文言が掲載され、小池追及の矛先が急に鈍り、都知事選で小池は大勝したのだ。

小島はこう書いている。

「小池さんは懇意にしている自民党の二階俊博幹事長(当時)に、都議会自民党をなんとかして欲しいと頼んでいました。しかし、それでも追及は止まらず、『女帝』の発売を受け、都議会最終日の六月十日には、『小池都知事のカイロ大学卒業証書・卒業証明書提出に関する決議』を提出するする流れになった。都議会自民党の若手が、小池さんの対抗馬として都知事選に立候補する動きもありました。
学歴詐称の疑惑を払拭しなければ、小池さんは出馬宣言ができない状況でした。彼女にとって政治生命の危機だった。困り果てて六月六日に私を呼び出したのです。都知事選は七月五日に迫っていました」

そうして会った小池はカイロ大学長からの手紙を見せたという。

「見せられたのは、カイロ大学学長からの、イベントへの招待状でした。日付は五月三十一日。英文で『一九七二年十月にカイロ大学文学部社会学科へ入学。四年間の学業を収め、一九七六年十月に卒業した小池百合子氏を、十二月二十一日にカイロ大学で行う『サイエンスデイ』に招きたい旨が記されていました。
今、手元にある文章を読むと、なぜ招待状にわざわざ入学と卒業の年月が入っているのか、不自然だと気付きます。ですが、その時は何とも思いませんでした。(中略)
私は率直に聞きました。
『卒業証書や卒業証明書を見せればいいんじゃないですか。それがあれば通常、それ以上の証明は求められません。それはあるんですよね?』
小池さんは言いました。
『あるわよ。でも、それで解決しないから困っているのよ』」

『女帝』とは別に、カイロアメリカン大学に留学経験のある小説家・黒木亮によっても、卒業証書と卒業証明書の不備が指摘されていて、偽造ではないかとさえ疑われていたが、その時点で中島は知らなかったという。

彼は小池に、「カイロ大学に証明してもらえばいい」と提案した。

その後、小島は、小池が出馬宣言をした場合の想定問答集を作っていたそうだ。

すると、9日、件の文章がカイロ大学学長のモハメド・オスマン・エルコシト署名入りの声明文が、駐日エジプト大使館のフェイスブックに載った。小島は、

「私はこんなに早くカイロ大学が対応してくれたの? と、驚きました。
私が『カイロ大学に証明して貰えばいい』と提案したのが、六日の夕方。七日の朝に小池さんから文面や宛先について問い合わせのメールが来たのですから、その時点ではカイロ大学とやり取りさえしていないはず。それなのに、九日には学長のサインのついた『声明文』が大使館のフェイスブックに掲載された。その間、わずか二日。通常、大学の公式声明なら、決裁の手続きもあるだろうし、エジプトとは時差もあるはずなのに……。
ただ、『やけに早いな』と思ったものの、当時は深くは考えませんでした。(中略)
この声明文の効果は絶大でした。新聞やテレビなど大手メディアが、一斉に『カイロ大学が声明を発表した』などと報じたからです。燃え広がっていた学歴詐称疑惑は、一気に沈静化しました。
私はこの時『大手メディアは、大使館のフェイスブックに載っただけで信じるんだ。大学ホームページを調べたり、アラビア語の原文はどう書いてあるかとか、学長への取材などもしないのだろうか。それで済むんだ』と正直、不思議に思いました」

この国の単純すぎるメディアの反応に、呆れ、訝っているのである。これがこの国のメディア総体の力量である。

小島は、こうした小池百合子都知事の早すぎる対応に違和感を感じていた。

そんな時、ある人物に出会って衝撃的な事実を知るのだ。

「その人物、A氏は元ジャーナリストで表には出ていませんが、小池さんのブレーンの一人で、私とも旧知の間柄でした。A氏は私に言いました。『実は駐日エジプト大使館のフェイスブックに上げられたカイロ大学声明は、文案を小池さんに頼まれ、私が書いたんです』と。
私は小池さんが、私とA氏の両方にこの件を相談していたのだと初めて知りました。驚くと共に『やはりそうだったのか』と納得しました。そして、A氏は、更にこう言いました。
『声明文は、私が日本語で書いた文案を書き換えたものを英訳、カイロ大学の声明文として学長のサインをつけて発表したものです。時間が限られていたので、それしか方法はなかったんだと思います。当時は私も、彼女は卒業していると思っていたから原案を書いたし、気軽に『エジプト大使館のHPに載せればいい』などと助言しました。結果、エジプト政府も認めている形となり、メディアはこの問題を取り上げなくなった。今となっては忸怩たる思いです。このことは、どこかで明らかにするべきではないか、そう思ったりもしています』」

小島はこうも記す。

「そもそもカイロ大学が出した声明文なら、アラビア語で記されているのが普通ではないでしょうか。それに英語・日本語訳が付いているのならわかりますが、英語・日本語だけなのも不思議な話。またカイロ大学学長の文書が、カイロ大学HPに掲載されず、駐日エジプト大使館のフェイスブックにだけ載るのも、今思えば奇妙なことです。
いずれにせよ、声明文は、はからずも、私が発案して、A氏が文案を作成した。それに小池さん自身が修正を加えた。そして、ここからは推測になりますが、彼女側から大使館へ依頼して掲載された。これがカイロ大学声明発出の内実だ、というのが私とA氏の結論です」

この学歴詐称の件はすでに時効になっている。だが、今夏には再び都知事選がある。

「学歴の詐称は、公職選挙法の虚偽事項公表罪にあたります。ただ、控訴時効は三年。二〇年の都知事選の選挙広報にも、小池さんはカイロ大学卒業と明記していますが、すでに時効が成立しています。この手記を読んで、次の都知事選で、彼女が再び学歴を明記するかどうか。私は注目しています」

文春で小島はこう宣言している。

「小池氏が『カイロ大学卒』と選挙公報に明示すれば、刑事告発します。その時に備え証拠を保全しています」

また、カイロ大学卒と書かなければ、カイロ大首席で卒業という経歴は嘘だったと認めることになる。

小池にとっては、どちらも致命傷になりかねない。

また小島は文春で、駐日エジプト大使館に声明文を掲載させてもらったことで、小池はエジプト政府に大きな借りを作ってしまったはずで、都知事や総理大臣候補といわれる人物の政治生命を外国政府が左右することになり、国益を損なうと指摘し、

「小池都知事にはもう嘘をつくのは止めて欲しい」

と話す。

新潮も結びでこう記している。

「彼女は小泉純一郎首相をはじめ、数々の権力者を籠絡して、権力の階段を駆け上がってきたと言われる。その“緑のたぬき”の化けの皮も、いよいよ剥がれつつあるということか」

4月28日には補選の投開票がある。衆院東京15区の補欠選挙に出馬している作家・乙武洋匡は、小池が強く推しているが、もし、乙武が落選することになれば、小池都知事の命脈はこれまでということになるのではないか。

そしてそこから、小池百合子という女性は「何者だったのか」、彼女を再評価する機運が高まると思う。

そして、新聞やテレビが、小池に跪いて、学歴詐称疑惑にも真剣に取り組んでこなかった“罪”も厳しく断罪されなければならないはずである。

先の石井妙子が書いた『女帝』の中で、小池百合子の学歴詐称を始めて告発した、かつての同居人、北原百代が、同じ文藝春秋で、メディアの怠慢を告発している。

「百合子さんがしていることは、やはり犯罪なのです。黙っていることは、その罪に加担するのと同じです。
そこで私は、メディアに伝えようと思い立ち、まず朝日新聞に配達証明郵便で、手紙を送りました。『小池百合子さんは学歴を詐称している。自分は同居しており、全てを知っているので、話を聞いてくれないか』という内容でした。自分の氏名と、当時は日本に滞在していたので、その住所も書きました。ところが、まったく連絡がなかった。メディアにもあなたの力が及んでいるのではないかと、私はさらに恐怖の念に囚われました」

朝日新聞よ、これを読んで恥じるところはないのか。

この手紙は誰が受け取り、どうして取材しないことになったのか? その一部始終を調べて紙面で公表すべきである。

メディアが、小池百合子という存在をモンスターにまで祭り上げた張本人であること、はっきり自覚すべきである。(文中敬称略)

【巻末付録】
まずは現代から。

「佐久間みなみ 南風にさそわれて」「堀辰雄『風立ちぬ』熊澤風花」。いいじゃないか、この風花って。

お次はポストから。

「荻野目洋子 永遠のダンシング・ヒーロー」。洋子も50代か。「巨乳軍団 日本のグラビアを変えた イエローキャブ再結集!」。かとうれいこ、よかったな。山咲千里、イイ女だった。

袋とじ「葵つかさ このカラダ、絶景なり」。入魂のヘアヌードだそうだ。「2024年上半期 愛と感動のグラビア傑作選」

今週は迫力満点のポストの勝ちだ。

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