発生から3日目 宮古市の山林火災 消火活動難航「鎮圧」に至らず 住人からは不安の声<岩手県>

岩手県宮古市の山林火災発生から4月22日で3日目、いまだ鎮圧には至っておらず消火活動は難航しています。
発生から22日までをまとめました。内記和人記者のリポートです。

20日の午後1時過ぎ、宮古市刈屋で山火事が発生しました。

シイタケを乾燥させていた小屋の火事が原因とみられ、風にあおられて近くの山林に燃え広がった火を、岩手県・青森県・秋田県の防災ヘリ合わせて3機が消火にあたりました。

関場正浩記者
「山のあちらこちらから火の手が上がっています。火の燃えるバチバチとした音が響いています」

日が落ちると消火活動は中断され、いくつもの山に広がる山火事の範囲が闇夜に浮かび上がりました。

上空からのカメラマンリポート
「山林火災は一夜明けたきょうも延焼が続き、あたりには白煙が広範囲に上がっています」

発生から一夜明けた21日、上空からは複数の場所から立ち上っている煙や地上から懸命の消火活動にあたる消防関係者の姿が確認できました。

21日からは自衛隊のヘリ6機も消火に加わり、上空から合わせて224回の散水が行われましたが、火が消えたと思われた場所が再燃するなど、消火活動は難航しました。

火の手はふもとにまで下りてきていて、住宅を守ろうと消防団が消火にあたります。
山火事が自宅に迫る中、住人からは不安の声が聞かれました。

住民
「初めてのことだから怖い。避難しなければならない」

今回の山火事の焼失面積は、発生初日の20日時点では約60ヘクタールでしたが、21日時点では2倍の約120ヘクタールまで延焼が確認されました。

22日も引き続き消火活動が行われる一方、午前10時時点で焼失面積は約180ヘクタールに拡大しています。

これまでにけが人の情報はありませんが、出火元とみられる小屋1棟が全焼しています。

火の手が迫る可能性があるとして、近くの新里中学校では22日に臨時休校になりました。
新里保育所の園児は別の場所にある市の施設で受け入れられています。

発生から3日目、住人にも疲れの色が見て取れました。

住民
「新しい所から煙が出てきて『避難しろ』となって、安心して寝られない状態が続いている」

火事はいまだ、ほぼ消し止められたことを意味する「鎮圧」には至らず、23日も早朝から消火活動が再開されます。

© 岩手めんこいテレビ