万博展示「乗り物型」ゼロも パビリオン、魅力低下の恐れ

大阪・関西万博の会場となる大阪市の人工島・夢洲=13日

 2025年大阪・関西万博を巡り、乗り物で展示を楽しむ本格的な「ライド型」のパビリオンがゼロになる可能性があることが22日、分かった。過去の万博では多様なライドが人気を博したが、会場となる大阪湾の人工島・夢洲の地盤が軟弱なため、一定の重量がある乗り物や関連設備による建設コストの増加が敬遠されている。

 ライドは幅広い世代が楽しめるだけに、パビリオン全体の魅力低下につながる恐れもある。出展団体や万博協会関係者が明らかにした。

 夢洲は土砂や廃棄物で埋め立てられた。パビリオン建設による地盤沈下を防ぐため、協会は「極力抑制するための対策や基礎形式を選定」するよう求めている。

 在阪ゼネコン関係者によると、土砂を取り除いた場所にくいを打たず建てる「浮き基礎」と呼ばれる工法が大半だが、建物重量には事実上の制約がある。地下深くまでくいを打ち込む工法も可能だが、終了後に撤去が義務付けられコスト増が避けられない。ライド型展示はレール設置や安全対策が必要で、一連の設備が重くなりがちだ。

1970年大阪万博のダイダラザウルス=大阪府吹田市
愛知万博に出展した「ワンダーサーカス電力館」の「ライド」に乗り込む関係者=2005年3月、愛知万博長久手会場

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