佐野の林道・作原沢入線が5年ぶり全線開通 林業や観光への影響に期待

5年ぶりに全線開通した林道・作原沢入線

 【佐野】作原町と群馬県みどり市東町を結ぶ広域基幹林道・作原沢入(そうり)線の通行止めが22日までに解除され、5年ぶりに全線開通した。地域林業の活性化や広域観光を推進するための重要な交通インフラであり、今後の市などの振興施策に弾みが付くと期待される。

 同林道は総延長20.7キロ(市側13.8キロ、みどり市側6.9キロ)で、車道の幅員は4メートル。2019年の大雨や台風19号に伴う斜面の崩落による土砂の流出などで、市側の恵比寿橋-県境間が通行できなくなっていた。県の治山工事や市による橋の補修工事などが完了したことで、15日午後に通行止めが解除された。

 市はこの地域を含む緑豊かな北部(中山間地域)を「奥佐野」として市内外に向け発信しており、同林道を活用し、みどり市と観光交流を深めていく考え。山間部を抜ける眺望にも恵まれたコースで、ドライブやツーリングなどのルートとしても人気が高かったことから、市は来年度、展望台の建設に着手する予定。

 新緑が映えるこの時季、今月末からの大型連休前のタイミングでの解除で、春からの市内観光にも好影響をもたらしそうだ。

 5年ぶりの待望の来訪という足利市毛野新町、小林栄(こばやしさかえ)さん(75)は「(17年の開通時から)このルートと景観に魅せられてきた。今か今かと待っていたので感無量ですね」と声を弾ませていた。

© 株式会社下野新聞社