東京15区の立憲・酒井菜摘氏「分岐点となる選挙」 岸田首相は島根1区に応援入りも大苦戦

街頭演説を行った立憲・酒井菜摘氏

衆院3補選(28日投開票)をめぐって自民党の苦境が鮮明になってきた。

自民党は東京15区と長崎3区で候補者擁立せず不戦敗となったが、立憲民主党との一騎打ちバトルとなった島根1区でも苦戦していることが明らかになった。

岸田文雄首相は21日、島根1区に擁立した元財務官僚の錦織功政氏の応援に立ち、立憲の泉健太代表も同区に出馬した元国会議員の亀井亜紀子氏を応援。両党トップ同士の舌戦が繰り広げられたという。

「立憲は自民党の〝政治とカネ〟の問題を争点に選挙を戦い支持を広げています。一方、岸田首相の島根1区応援は地元で歓迎されなかったようです。マスコミ選挙情勢に関する調査だと、亀井氏が先行して補選を折り返しました」(政界関係者)

東京15区でも立憲の酒井菜摘氏が優位に選挙戦を展開。この日、東京・江東区辰巳で開いた街頭演説会で酒井氏は「前回(昨年12月)の区長選挙は投票率が10%も落ちました。江東区民は23区のなかでも1位、2位を争う投票率の高さで有名な街です。(区長選の投票率が過去最低更新の)39%という数字は、みなさまの政治不信が募って、『政治家がしっかりしろ!』というお怒りだと私は受け止めています」と語った。

候補者が乱立した選挙戦については「自民党の補完勢力の方であったり、さまざまな野党の方が乱立していますけども、本当に接戦の中で、分岐点となるような、今後の政権を交代するような、そんな選挙だと思っております」とした。

自民党が虎の子の島根1区補選に負けるようだと、岸田首相の政権運営に影響が出るともいわれている。

前出の政界関係者は「3補選で立憲が勢いづいています。(候補者擁立断念で)東京と長崎の自民党所属の地方議員らは身動きが取れない状態です。今後の議会運営を考えた場合、誰かには投票したいはずですが…」と混戦に頭が痛い様子だ。

GW決戦の行方に注目が集まる。

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