にらみを利かせた表情は歌舞伎のよう?-。鹿児島県西之表市の上之古田漁港に、愛嬌(あいきょう)のある顔が特徴の「クマドリカエルアンコウ」がすみ着いている。大潮の22日、身を寄せたサンゴの隙間でひれを突っ張り、潮流に耐える姿が見られた。
鹿児島大学総合研究博物館(鹿児島市)によると、静岡・伊豆半島が生息北限とされる南方系の魚で体長10センチ程度。浅瀬のサンゴや岩場に潜む。深海魚のアンコウと同じく、エスカ(疑似餌部分)と呼ばれる器官を使って小魚や甲殻類をおびき寄せて捕食する。
かつて「クマドリイザリウオ」と呼ばれていたが、不快・差別語を含むとして2007年に現在の和名に変更された。カラフルな体色とひれを使って歩く姿が愛らしく、観賞魚として人気が高い。