【中国】労働節連休の旅行市場、「県域」に脚光[観光]

中国の労働節に伴う大型連休(5月1~5日)を目前に控え、オンライン旅行会社(OTA)では宿泊施設や航空券の予約が好調だ。今年は国内で長距離旅行をするケースが目立ち、「県域」と呼ばれる農村周辺地域の人気も高まっている。

携程集団(トリップドットコム・グループ)によると、今年は小規模地方都市の4級都市以下の旅行予約が前年の同連休から2.4倍に増え、伸び幅は従来の人気旅行先である北京市や上海市などの大都市を大きく上回った。

県域のホテル予約数は68%増え、観光地の入場券予約数は2.5倍に急伸。農村を巡る旅行商品の予約数は42%増加した。旅行先ではリゾート地として有名な福建省の平潭県や広西チワン族自治区の陽朔県、浙江省の安吉県などが人気という。

国内旅行が近年盛り上がる中、より深掘りした内容の旅行を求める層が増えている表れといえそうだ。

長距離旅行の予約は全体の56%を占めた。鉄道乗車券の予約も伸び、OTA同業の去ナ兒網(ナ=口へんに那)によると、北京—上海や四川省成都—陝西省西安、上海—湖北省武漢など人気路線の乗車券は、今年の春節(旧正月)連休(2月10~17日)よりも手に入りづらくなっている。

去ナ兒網では航空券の予約数が前年の同連休を超え、上海、北京、広東省深セン、同省広州など大都市と人気観光地を結ぶ路線は価格が上昇している。

最近人気のマイカー旅行も増えるとみられる。

■海外はタイや日本が人気

海外旅行の予約もにぎわっている。去ナ兒網によると、今年の労働節連休はタイ、日本、韓国、マレーシア、シンガポールが人気の旅行先。

携程集団では、海外航空券の検索数が前年の同連休に比べて56%増加。連休中に上海、福建省厦門(アモイ)を出発する国際クルーズ船は既に売り切れ、総取引額(GMV)は新型コロナウイルス前の2019年の同連休を5割以上上回った。

連休期間の入境旅行者の予約数は前年同連休の2.3倍。

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