北朝鮮アニメーター、西側の番組制作に協力か 制裁違反の可能性

[ワシントン 22日 ロイター] - 北朝鮮に対する国際的な制裁に反し、北朝鮮のアニメーターが西側大手企業の人気アニメの制作に協力していた可能性があることが分かった。米首都ワシントンに拠点を置く分析サイト「38ノース」が22日、調査報告書を公表した。

北朝鮮のサーバー上のファイルに、海外のスタジオ向けに制作中のプロジェクトに関連するとみられるアニメや指示書、コメントが含まれていた。プロジェクトには、米カリフォルニア州を拠点とするスカイバウンド・エンターテインメントが制作したアマゾンのオリジナルのアニメシリーズ「インビンシブル」や、メリーランド州を拠点とするスタジオが制作し、動画配信サービス「Max」(旧HBO Max)が今年放送予定のスーパーヒーローを題材としたアニメなどがある。

米国が科した制裁では、米市民と北朝鮮企業間のほとんど全ての商業活動が禁止されている。

米グーグル傘下のサイバーセキュリティー大手マンディアントで北朝鮮問題を担当し、今回の調査に関わったマイケル・バーンハート氏は中国への下請けにも関わるとみられる取り決めに関し、西側企業が知っていたことを示すようなものは何もないとコメントした。

スカイバウンドは自社のアニメに北朝鮮企業が関わっていることは一切知らなかったとし、今回の疑惑を真剣に受け止め、潜在的な問題を検証し是正するために徹底的な内部調査を始めたと表明した。

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