松井超え176号の大谷翔平 山本由伸に頼りにされる姿に感じる人間としての成長

 試合後に報道陣の質問に答えて笑顔を見せる大谷(撮影・小林信行)

 「ドジャース10-0メッツ」(21日、ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平選手(29)がメジャー通算176本塁打を放ち、日本選手最多記録を更新した。前日まで並んでいた松井秀喜氏を抜いて偉業を達成。7月で30歳を迎える大谷はフィールド内外でまだまだ成長を遂げている。

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 「オハヨウ、センパイ!」

 3月10日のダイヤモンドバックスとのオープン戦。フィールド上で敵軍遊撃手ペルドモに日本語で声を掛けられた大谷が笑顔を見せた。

 ドミニカ共和国出身の24歳は昨年7月のオールスター戦でも大谷に「バットニサインクダサイ」と日本語で直談判。すっかり大谷マニアぶりを発揮している。

 ペルドモに限らず、大谷を慕う選手は多いが、ド軍に移籍した今季はこれまでとは明らかに様子が異なる。

 理由のひとつは4歳年下の山本の存在。2人は本拠地だけでなく、敵地でもロッカーが隣同士。大谷はメジャー1年目の新人から球場内外で頼りにされている。

 3月には、常に近くでサポートしていた水原通訳が不祥事で球団を去った。一人で行動し、他の選手たちと意思疎通を図る姿を目にする機会が多くなった。

 プライベートでは2月末に結婚を発表。愛する人の存在が大谷に変化をもたらしていることは容易に想像できる。

 7月で30歳。昨季まで所属していたエンゼルス時代の愛されキャラとは違う新たな一面。野球選手としてだけでなく、人間としての成長を感じる。(デイリースポーツ大リーグ担当・小林信行)

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