中門御扉を特別公開 高岡・射水神社、23日から 来年、遷座150年式年大祭に向け

23日から公開される「中門御扉」=高岡市の射水神社

  ●明治の社殿復元も計画

 高岡市の射水神社は23日から、重要な儀式のみに開扉が許された「中門御扉(ちゅうもんみとびら)」を特別公開する。来年の遷座(せんざ)150年の式年大祭に向け、明治期の社殿を復元する事業に取り組んでおり、由緒ある扉を参拝者に周知して大祭への機運を高める。

 中門御扉は、高さ240センチ、幅140センチ、厚さ6センチのヒノキ製となる。拝殿横の翼廊(よくろう)で、当時は本殿・中門・拝殿が一直線に並ぶ配置で、中門御扉によって本殿手前の祝詞(のりと)殿と拝殿を区切っていた。

 中門御扉は、宮中からの遣いである勅使(ちょくし)や宮司だけが中に入ることができたという。2005(平成17)年ごろに参拝者の増加を受け、空間確保のために取り外し、県内の建築会社に保管してあった。

 射水神社は1875(明治8)年、二上山から高岡古城公園に移った。1900(明治33)年の高岡大火で社殿が類焼し、02(明治35)年に再建された。文化勲章を受けた建築家の伊東忠太博士が設計し、井波を代表する宮大工松井角平棟梁らによって造営された。

 再建当時の射水神社復元に当たり、中門御扉の復元も計画しており、社殿の歴史に触れて式年大祭への関心を寄せてもらおうと公開することにした。

 炭谷淳宮司は、扉は高岡の宝の一つだと思っているとして「扉を通して歴史に触れてもらいたい」と話した。

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