【巨人】阿部監督の〝超ポジティブ〟な考えはプラス効果 他球団関係者も評価

降雨コールドになった広島戦。阿部監督は笑顔を絶やさなかった

阿部慎之助監督(45)率いる巨人が上位争いを続けている。22日現在、2位・中日とは0・5ゲーム差、首位・阪神にも1ゲーム差の3位で追走中。その裏側では、もがき苦しみながらもチームをけん引する指揮官の「ポジティブシンキング」が高い評価を得ているようだ。

16日から行われた敵地6連戦(阪神戦=甲子園、広島戦=マツダ)は3敗3分け。1つも白星を得られなかったが、それでも阿部監督は前向きな姿勢を崩さなかった。0―0で引き分けた19日の広島戦後に「今日は『勝った』ね。勝ちました」と奮闘した投手陣を絶賛すれば、同じくスコアレスドローとなった21日の同カードで試合後には「前向きに考えていこう。負けなかったしね。また(東京に)戻って切り替えてね」とマイナス要素を一切口にしなかった。

また、半分の3試合がドロー決着に終わったビジター6連戦の戦績についても「こういう1週間は長いシーズンやっていればあると思うし。まあ、3勝3敗だと思ってね。敵地の引き分けって勝ちに等しいと思う。3勝3敗だと思って帰ろうかなと思います」と冷静沈着に〝超ポジティブ〟な考えを貫いた。

こうした一連の阿部監督の発言は、チームにも一定のプラス効果をもたらしている。コーチ経験のある他球団関係者も「トップが弱音を吐かないことは意外と大事」と指摘。「ベテラン監督が含蓄のある発言や、皮肉めいたジョークを言うのはまだしも…。若い監督はどんな状況でも、とにかくチームの士気を下げないように明るく振る舞うのがベスト。21日の広島戦は勝っていた展開の中、降雨コールドになっただけに文句の一つでも言いたかったはず。それをグッとこらえてたし、なかなかできることではない」とも評した。

6連勝後は6戦勝ちなしと乱気流の中にいる阿部巨人。あえて何事にも肯定的な姿勢を見せ続ける指揮官の前向き路線が果たして功を奏するか。

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