「誠に幸せな競技人生」アイスダンス小松原美里&尊組の電撃解散に労い止まず! 五輪公式、競技の枠超えたアスリート仲間から胸熱メッセージ続々

近年の日本アイスダンスを牽引した最強夫婦に労いの言葉が届いている。

フィギュアスケートのアイスダンスで2022年北京五輪日本代表の小松原美里、尊組が4月22日、カップル解散を電撃発表した。

まさに寝耳に水だった。美里は尊とのカップル解散発表後、自身のインスタグラムを更新。3月にカナダ・モントリオールで開催された世界選手権をもって、23年の競技生活にピリオドを打つことを決心したと報告。2年ぶり5度目の優勝を飾った昨年の全日本選手権でのリズムダンスの写真を添えて、ここまでの発表に至るまでの胸中を丁寧に綴った。

「今年は本当に毎試合怪我と戦っていて身体が苦しい中、2月の四大陸選手権では、自己過去最高得点を出すことができ、モントリオールの世界選手権では自分の好きな、練習してきた演技が出来ました。こうした今シーズンの経験、そして五輪の夢を叶えられたこと。自分の競技人生をやり切ったと心から思えている自分に気づきました」

「『足るを知る。』 ひたすらに自分に足りないものを探して、持っていないものを追ってきました。ふと振り返ってみると、競技を通して出会った素敵な人達や宝物のような想 い出が満ちていました」
日本スケート連盟や関係者、スポンサー、切磋琢磨した多くのスケ―ト仲間に感謝を伝えながら、「スケートの競技生活を通して、問題と向き合うこと。向き合う中でも楽しむことを学びました。沢山素敵な経験と大変な中で感じる、より美しい景色を観させて頂きました」と独特に表現。スケートを通して、人として大きく成長できたと振り返っている。

誰もが気になる今後の予定については、尊とアイスショーに出演したり、2人の練習拠点であるカナダでコーチの資格を取得する為のレッスンを受講したり、コーチングや振り付けなど、多岐にわたって学ぶことを望んでいる。

そして最後に、23年の競技人生について彼女らしい優しい言葉で締めくくっている。

「初めてスケートをした時に頬に感じた風の気持ちよさは、23年たった今でも私の頬で微笑んでくれています。誠に幸せな競技人生でした。心よりありがとうございました」

電撃発表後、彼女のインスタにはファンから著名人まで多くのメッセージが届いた。なかには五輪公式サイト『gorin』からも、「長きにわたる競技生活、お疲れ様でした たくさんの感動をありがとうございました」と労いの言葉が見受けられた。 さらに競技は違えど、同じアスリート仲間から熱いメッセージが寄せられた。

女子ホッケー日本代表でリオ、東京大会と2大会連続五輪に出場した永井葉月は「今まで頑張ってきたその努力は沢山の方に伝わってると思うし私もその1人です!! 美里ちゃんの頑張ってる姿を見て背中を押されました まずは一回ゆっくりしてこれからの人生もいっぱい楽しんでください また日本で会えること楽しみにしてるよ!! 本当に本当にお疲れ様でした 大好き~Big ハグ」と、絵文字を交えながら労った。

同じ氷上を舞台にした仲間からは、女子スピードスケートの18年平昌五輪金メダリスト(団体パシュート)の佐藤綾乃が「お疲れ様でした」と両手で作ったハートマーク、笑顔の絵文字を送っている。
「チームココ」の愛称で親しまれた2人は16年にカップルを結成。プライベートでは17年に結婚して夫婦となり、20年には米国出身の尊が日本国籍を取得。長く日本のアイスダンス界の第一人者として活躍し、全日本選手権では4連覇。四大陸や世界選手権、初出場した北京五輪では団体戦で日本の銅メダル(のちに銀メダルに繰り上がり)獲得に大きく貢献した。

カップル結成から8年。艶やかな滑りで日本のアイスダンスを牽引した夫婦の決断を尊重する声は止まない。

構成●THE DIGEST編集部

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