【天皇賞】良質なスピード受け継ぐスマートファントム 3代母・ターンツーダイナがスタミナの源

 スマートファントム血統表

 「天皇賞(春)・G1」(28日、京都)

 馬柱で目にする“藤岡康”の名を見ると胸が締めつけられる思いだが、われわれは彼が愛した競馬の火を絶やしてはならない。天皇賞・春には、彼の手綱で条件戦を連勝し、初めてG1に挑戦するスマートファントムがエントリーしてきた。

 父は、多種多彩な産駒を輩出しているハービンジャー。昨年のマイルCSを制したナミュールの名にグッとくるが、長めの距離でも18年有馬記念の覇者ブラストワンピースや、国内外のG1を制したディアドラ、17年エリザベス女王杯を制したモズカッチャンがおり、日本競馬への高い適性を見せている。

 母のスマートアイリスは未出走に終わったものの、ディープインパクト産駒で、半兄に06年京王杯2歳S&08年スワンSを制したマイネルレーニアがいる快速系。ノーザンテースト-サクラユタカオーの流れを受け継いでおり、良質なスピードを後世に伝えている。

 同馬に関しては、3代母のターンツーダイナがキーポイント。サンデーサイレンスとの間に生まれたハヤベニコマチは10年の春盾覇者ジャガーメイルの母。長丁場に対応できるスタミナの源はここにあり、さらにはタフな馬場をこなせるパワーも兼ね備えた。実績では見劣るものの、ひと雨降れば面白い存在となる。岩田望とのフレッシュなコンビにロマンを託す手はある。(デイリースポーツ・松浦孝司)

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